厚生労働省と国土交通省が連携して進めている「建設業の人材確保・育成」に関する、令和8年度(2026年度)予算案の概要が公表されました。 高齢化と若手不足が深刻な建設業界に対し、国がどのような支援を打ち出しているのか、社労士視点で注目のポイントを解説します。
1. 全体像:キーワードは「若手・女性」と「CCUS活用」
建設業では60歳以上の技能者が約4分の1を占める一方、29歳以下は約12%にとどまっています。 今回の予算案でも、若者や女性の入職・定着が最重要課題とされており、そのためのツールとして**「建設キャリアアップシステム(CCUS)」の活用**が強く推進されています。
2. 【厚労省】注目の助成金・支援策(令和8年度)
厚生労働省側の予算案では、助成金の拡充やハローワークでのマッチング強化が目玉となっています。
① 助成金の拡充(71億円)
中小建設事業主が利用できる助成金が強化されます。
- 人材確保等支援助成金(若年者及び女性に魅力ある職場づくり事業コース): 「建設業の魅力発信」から「入職・定着」までを一体的に行う取組が新たに支給対象に追加されます。さらに入職者が定着した場合には上乗せ支援も実施される予定です。
- CCUS活用の推進: CCUSを活用した雇用管理改善や、能力開発(人材開発支援助成金)への上乗せ助成も継続・強化されます。
② ハローワークでのマッチング強化(56億円)
ハローワークに設置されている「人材確保対策コーナー」が拡充されます。
- 担当者制によるきめ細かな相談:求職者への個別サポートを強化。
- CCUS登録企業への誘導:求職者に対し、CCUS登録済みの建設事業主の求人を積極的に提供・勧奨する動きが強まります。
③ 働き方改革推進支援助成金(101億円)
2024年4月から時間外労働の上限規制が適用されている建設業向けに、専用コースを用意して労働時間短縮の取り組みを引き続き支援します。
3. 「一人親方」等の安全衛生対策も強化
改正労働安全衛生法の施行(令和7年~令和8年段階的施行)に伴い、個人事業者(一人親方など)への安全衛生対策支援も拡充されます(1.7億円)。
- 改正法内容の周知説明会
- 労災保険に特別加入している一人親方への安全衛生教育
- 現場への巡回指導
まとめ:採用・定着対策は「国の支援」を賢く使おう
令和8年度も、建設業の人材確保には手厚い予算が配分されています。 特に「CCUSの登録・活用」が助成金受給の鍵となる傾向は今後も強まる見込みです。
建設業の事業主様は、これら助成金の活用を視野に入れつつ、魅力ある職場づくり(賃上げ、週休2日、安全対策)を進めていきましょう。


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