
「俺がルールだ!」はもう通用しません
「ウチの会社なんだから、俺の指示に従え!」 「気に入らないなら辞めてもらうぞ!」
昭和の時代なら、この親分肌な経営スタイルも許されたかもしれません。 しかし、令和の今、このスタンスで会社を運営するのは、地雷原を歩くようなものです。
それを定めているのが**「労働契約法」です。 この法律は、簡単に言えば「社長と社員の約束事(契約)についてのルール」**です。
これを知らずに「口約束」や「感情任せの解雇」をすると、裁判で100%会社が負けます。 今回は、社長が絶対に押さえておくべき「3つの鉄則」を解説します。
1. 「口約束」でも契約は成立する…だから怖い!
労働契約法の最大の特徴は、**「口頭でも契約は成立する」**としている点です。
- 社長:「よし、月給30万円で採用だ!」
- 社員:「ありがとうございます!」
これだけで契約は成立します。 しかし、数年後にトラブルが起きるのはここです。
- 社長:「え? 残業代込みの30万って言っただろ?」
- 社員:「いいえ、聞いてません。残業代は別ですよね? 払ってください」
契約書という「証拠」がない場合、裁判所は**「労働者(弱い立場)の言い分」**を重視する傾向があります。 結果、数百万円の支払いを命じられるのは会社側です。
鉄則①: 「記憶」は嘘をつきます。「記録(契約書)」だけが会社を守ります。
2. 「明日から来なくていい」は、ほぼ無効です
「あいつは協調性がないからクビだ」 社長の気持ちは痛いほど分かりますが、労働契約法第16条にはこう書かれています。
「解雇は、客観的に合理的な理由がなく、社会通念上相当であると認められない場合は、その権利を濫用したものとして、無効とする」
つまり、**「誰が見ても『それは仕方ないね』と納得する理由がないと、クビにはできない」**のです。 日本の法律では、解雇のハードルはめちゃくちゃ高いです。
もし「不当解雇」と判定されたら? クビにした日に遡って、**「働いていなかった期間の給料(バックペイ)」**を全額払わなければなりません。
鉄則②: 解雇は最終手段。まずは「指導の記録」を残すことから。
3. 「安全配慮義務」を忘れていませんか?
関市の製造業や建設業の社長に特に伝えたいのが、第5条の**「安全配慮義務」**です。
会社は、**「従業員が安全に働けるように配慮する義務」**があります。
- 「古い機械の安全カバーが壊れたまま」
- 「夏の現場で、休憩や水分補給をさせていなかった」
- 「パワハラを知っていたのに放置して、社員がうつ病になった」
これらで事故や病気が起きた場合、労災保険とは別に、会社に対して高額な損害賠償が請求されます。 「注意したのに本人がやらなかった」という言い訳は、安全教育の記録がないと通用しません。
鉄則③: 「安全第一」はスローガンではなく、会社の「法的義務」です。
まとめ:契約書の見直しが、最強の「保険」
労働契約法は、会社を縛るためだけの法律ではありません。 正しく理解して「契約書」や「就業規則」を作っておけば、逆に**「会社を守る最強の盾」**になります。
「ウチの契約書、ネットのひな形をそのまま使ってるな…」 「そもそも口約束で入社した社員がいるな…」
そう思ったら、赤信号です。 トラブルが起きてからでは遅いのです。今すぐ、私(飛騨屋)と一緒に契約内容を見直しましょう!



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