
派遣さんは「お客様」ではありません
「おい、派遣さん! そこ危ないぞ!」 「あ、すみません…」
関市の工場でも、派遣スタッフさんが活躍する姿は当たり前になりました。 人手不足の今、彼らは貴重な戦力です。
しかし、社長。派遣社員さんを**「都合の良い助っ人」**だと思って、安全管理を派遣会社任せにしていませんか? 「給料を払うのは派遣元なんだから、教育も健診も全部向こうの責任だろ?」
その思い込み、大事故の元です。 法律では、**「実際に指揮命令をして働かせている会社(派遣先)」**が負うべき責任が明確に決まっています。
今回は、社長が特に見落としがちな**「3つの落とし穴」**について解説します。
1. 「安全教育」と「保護具」は、誰の義務?
派遣社員さんがプレスマシンや旋盤を使う時。 「使い方は派遣会社で習ってきてるだろ?」と思って、いきなり作業させていませんか?
【正解】 現場特有の危険に関する**「安全衛生教育」**を行う義務は、**派遣先(御社)にあります。 ヘルメットや安全靴などの「保護具」を用意するのも、原則として派遣先(御社)**の責任です。
なぜなら、その危険な機械や現場を管理しているのは、派遣元ではなく御社だからです。 もし教育不足で指を切断するような事故が起きたら、労働基準監督署が調査に来るのは、派遣会社ではなく御社の工場です。
2. 「特殊健康診断」は、どっちがやるの?
「健康診断は派遣会社の義務」 これは半分正解で、半分間違いです。
- 一般的な健康診断(一般健診): 派遣元(派遣会社)の責任
- 有害業務の健康診断(特殊健診): 派遣先(御社)の責任
もし御社の工場で、「有機溶剤」「特定化学物質」「粉じん」などを扱う作業をさせている場合、その特殊な健診を受けさせる義務は御社にあります。
「派遣さんにシンナーを使わせているけど、健診なんて知らんよ」 これは完全に法律違反です。すぐに確認してください!
3. 「残業時間」の把握、適当になっていませんか?
「今日は忙しいから、派遣さんも2時間残って!」 と指示を出せるのは、指揮命令権を持つ御社だけです。
しかし、その時間を正確に記録して派遣元に伝えないと、派遣元は正しい給料(残業代)を払えません。 もし御社がタイムカードを適当に管理していて、派遣さんから「未払い残業代がある!」と訴えられた場合、**「労働時間の管理責任」**として御社が巻き込まれるトラブルに発展します。
「派遣元との契約書で『残業は月〇時間まで』となっていたのに、現場が勝手に超えさせていた」 これも契約違反で損害賠償問題になります。現場の職長さんへの周知は大丈夫ですか?
まとめ:派遣さんは「借りてきた人間」ではなく「仲間」です
「派遣だから」と区別して、安全対策をおろそかにすることは許されません。 同じ工場で、同じ空気を吸って働く以上、「命を守る責任」は現場の長である社長にあります。
- どの健診が必要か分からない
- 派遣社員の残業管理がザルになっている
- 派遣会社との契約内容を見直したい
そんな時は、飛騨屋社労士事務所にご相談ください。 「派遣元」と「派遣先」、どっちが何をするべきかを整理し、クリアな職場環境を作りましょう!


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