従業員の健康管理において重要な「特定保健指導」。 「対象者に案内してもなかなか受けてもらえない…」とお悩みの人事・労務担当者様も多いのではないでしょうか。
協会けんぽより、他社がどのようにして実施率を上げているかをまとめた最新の**「特定保健指導 事例集(2025年1月作成)」**が公開されました。今回はその中から、すぐに真似できる成功のポイントをピックアップしてご紹介します。
特定保健指導のおさらい
まずは基本の確認です。特定保健指導とは、健診結果で生活習慣病のリスク(腹囲+血圧・血糖・脂質・喫煙歴など)がある方に対し、保健師や管理栄養士が無料で生活習慣改善のサポートを行うプログラムです 。
事業主のメリット:
- 従業員の生活習慣病予防(離職防止・生産性向上)
- 無料で専門家のアドバイスが受けられる
実施率が高い企業はやっている!5つの成功事例
資料で紹介されている5社の事例から、共通する成功のポイントが見えてきました。
1. 「仕事の一環」としてスケジュールに組み込む
(建設業/青森県)
- 課題: 現場作業が中心で、個別に任せると受診が進まない。
- 対策: 会社側であらかじめ勤務スケジュールに特定保健指導の日時を組み込み、「仕事の一環」として午前中に受けてもらい、午後から現場に戻るフローを確立しました 。
- 効果: 対象者全員が実施。「嫌だ」という声もなく、当たり前の業務として定着しました。
2. 「受けるのがデフォルト」にする工夫
(設備管理業/愛知県)
- 課題: シフト勤務で時間がバラバラ。
- 対策: 希望制ではなく「全員受ける」方針に転換。総務部が2ヶ月前に日時を割り振り、現場責任者と調整。さらに、オンライン面談や現場への訪問指導など、場所を選べるようにしました 。
- ポイント: 「強制」と感じさせないよう、事前に社内委員会メンバーが体験し、「気軽な相談でいいんだよ」と口コミを広げ心理的ハードルを下げました 。
3. 健診機関と連携し「2回目の健診」とセットに
(飲食業/大阪府)
- 課題: 店舗営業が夜遅く、個別に任せると受診率が低い。
- 対策: 年2回健診がある特定業務従事者が多いため、春の健診で対象になった人は、秋の健診時に「セット」で特定保健指導を行うよう健診機関と連携しました 。
- 効果: 本人が意識しなくても、自然な流れで指導まで完了する仕組みができました。
4. 一人ひとりに電話で「あなたのために」と伝える
(医療・介護業/広島県)
- 対策: 対象者には事務担当者が個別に電話連絡。「自分の生活習慣を見直すいい機会」「無料でプロのサポートが受けられる」とメリットを直接伝えます 。
- 効果: 文書やメールだけでは「見て見ぬふり」をされがちですが、電話で丁寧に伝えることで納得感が高まりました。
5. 労災二次健診と同日に実施
(運送業/沖縄県)
- 課題: ドライバーの人手不足・健康起因事故の防止。
- 対策: 労災保険の二次健康診断(※)の対象者は、その健診日に合わせて特定保健指導も実施。1日で済むため業務への影響を最小限に抑えました 。
- ※一次健診ですべての項目に異常所見がある場合などが対象
まとめ:成功の共通点は「本人任せにしないこと」
成功している企業に共通しているのは、**「いつ受けるか会社がお膳立てする」「勤務時間内に受けられる環境を作る」**という点です。 「忙しいから受けられない」という理由を会社側が解消してあげることで、実施率は劇的に向上します。
従業員の健康は会社の資産です。まずは「勤務時間内での実施」や「健診との同時実施」など、できることから環境づくりを始めてみてはいかがでしょうか。
参考資料:全国健康保険協会「特定保健指導 事例集 事業所版(2025年1月作成)」 PDFのダウンロードはこちらから:協会けんぽ公式サイト
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