【社労士が考察】従業員が定着しない理由は?

岐阜県の社会保険労務士事務所の飛騨屋社労士事務所です。

企業経営をしている方、管理職の方で一番頭を悩ませるのが、従業員の定着ではないでしょうか。

採用した従業員の方が定着しなければ企業の発展も難しく、ノウハウや技術の継承も出来ず、さらには後継者が育たず黒字廃業といった最悪の事態になる事もあります。

経験則や情報、統計を交えてご紹介をしたいと思います。

世間の離職率はどれくらい?

令和2年雇用動向調査によると男女の合計で

「14.2%」

という数字が出ています。正社員に限っては「10.7%」となっております。

参考:雇用動向調査 入職と離職の推移

反対に言えば、一般的な定着率は「85.8%」となり、自社の定着率を一度計算して比較してみる事をおススメ致します。

■計算方法
離職率=退職者÷在籍者数×100
定着率=100-離職率

比較した際に、一般的な定着率より低い場合は改善が必要かも知れません。

離職理由は?

雇用動向調査によると次の理由にとなっております。

注:その他理由、定年退職、会社都合の理由は外しております。
参考:雇用動向調査 転職入職者の状況

男女共に順位は違えど同じような理由での離職理由となっております。
シンプルに言うなら不安、不満といった理由と考えられます。

人間関係や労働条件等、改善できる可能性がある理由ですので、自社の定着率が悪いと感じたら自社の職場環境を再確認し、改善する事によって定着率が向上していくと考えます。

定着しないデメリット

従業員が定着しないと次の様なデメリットが発生します。

採用・教育コストの発生

採用時、教育で企業にコストが発生しますが、退職する事によってコストのみが掛かってしまう事になります。

・新卒採用の場合
 学校への挨拶回り、リクルーター活動、内定者に対する懇談会やアルバイトなどのコストがあります。

・中途採用の場合
 ハローワークであればあまりコストはありませんが、紹介会社を利用していると数十万~数百万のコストがかかります。

・教育コスト
 外部講師に依頼していれば講師の費用、社内講師としてもコストが発生します。

どの様に退職していくのか

次の図の様に、不安・不満・不信が蓄積されると諦めステージに進み、諦めが蓄積されると退職につながります。

それぞれの原因は?

不安、不満、不信の原因は次の図の様な理由が原因と考えられます。

不安は安心できない時に出てくる感情です。安心できないのは先が見えない場合に出てくる場合が多いと考えています。

私は不満は、怒りから発生していると考えています。
怒りは不安、悲しみ、心配、期待等の1次感情が処理できず2次感情の怒りになり不満へと発展していくと思っています。

たとえると、「今後のキャリアが不安なので相談に乗ってほしい」と上司に伝えたが、どれだけ時間がたっても対応してもらえず怒りに代わり、周りに不満を漏らすといった流れです。

前段階の感情で対応すれば定着率は向上すると考えます。

不信は信頼、信用が出来ない時に発生し、前出のキャリア相談に乗ってもらえる期待値を何度も裏切られると信用が出来ず不信感が蓄積されていきます。

また、制度がコンプライアンス違反をしているような場合も不信感が蓄積される要因になります。

まとめ

従業員が定着しない理由を考察してみましたがいかがだったでしょうか?

従業員の異変を感じたら早い段階で手を打つと定着率の向上になります。

また、制度自体を作り込むことによっても定着率の向上が期待されます。

制度等の相談がありましたら、飛騨屋社労士事務所にお問い合わせ下さい。

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投稿者プロフィール

平下 研祐
平下 研祐社会保険労務士
30代に入り行政書士と社会保険労務士を取得。
岐阜県内大手社会保険労務士事務所勤務ののち、人事の現場を経験したく1,000名規模の製造業の人事へ入社し労政企画を経験。
一つでも多くの企業に「よかった」を届けるために2022年独立。

家族と日本酒を愛する人です。

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