
「うちはハイテク企業じゃないから」という油断
「先生、最近の若い子はすごいね。日報があっという間に出来上がるんだよ」 「外国人実習生への指示書も、スマホですぐ翻訳できるし便利だわ」
関市の製造現場でも、AI(人工知能)の活用が急速に進んでいます。 業務効率が上がるのは素晴らしいことですが、社長、社員さんにこんな「釘」を刺していますか?
「AIに、お客さんの名前や、まだ発表してない新製品の情報を入力したらダメだぞ」
もし、これを言っていないとしたら… 御社の秘密は、世界中のAI学習データとして吸い上げられているかもしれません。
今回は、国の「AI事業者ガイドライン」に基づき、中小企業が今すぐやるべき**「3つの防衛策」**を解説します。
1. 「入力してはいけないもの」を決める(情報漏洩対策)
生成AI(ChatGPTなど)は、入力されたデータを学習に使うことがあります。 つまり、**「A社の〇〇社長の携帯番号は…」**と入力した瞬間、それがAIの知識の一部になってしまうリスクがあるのです。
ガイドラインでも、**「個人情報の不適切入力への対策(U-4)」や「機密情報の入力注意(U-5)」**が強く求められています。
■ 社長がやるべきこと 社員に対して、以下のルールを徹底してください。
- 「個人名」「電話番号」「顧客リスト」は絶対に入力しないこと。
- 「社外秘」の図面や製造ノウハウを入力しないこと。
- どうしても使う場合は、「A社」→「某社」のように固有名詞を伏せること。
2. 「AIが嘘をつく」ことを教える(ハルシネーション対策)
「AIが言ってるから正しいだろう」 この思い込みが一番危険です。AIは、もっともらしい顔をして平気で嘘をつきます(これを「ハルシネーション」と言います)。
もし、AIが作った「間違った契約書」や「架空の法律」をそのまま信じて、取引先に送ってしまったら? 責任を取るのはAIではなく、**会社(社長)**です。
■ 社長がやるべきこと
- **「AIの回答は必ず人間が裏取り(ファクトチェック)すること」**を義務付ける。
- 「AIで作りました」と正直に言える雰囲気を出し、隠れて使わせないこと。
3. 「著作権」の侵害に注意させる
最近、デザイン業務などで「画像生成AI」を使うケースも増えています。 しかし、AIが作った画像が、有名なキャラクターや他社のロゴに激似だった場合、それを使うと**「著作権侵害」**で訴えられるリスクがあります。
ガイドラインでも**「公平性の担保(U-3)」**として注意喚起されています。
■ 社長がやるべきこと
- 商用利用(チラシやHPなど)する場合、AIで作った画像が他人の権利を侵害していないか、必ずチェックさせる。
- 不安なら「商用利用は禁止」と割り切るのも一つの手です。
まとめ:禁止にするのではなく「ルール」で操縦しよう
「怖いからAI禁止!」と言いたくなる気持ちも分かります。 しかし、AIはうまく使えば、事務作業や翻訳にかかる時間を劇的に減らしてくれる**「最強の武器」**です。
大切なのは、包丁と同じで**「正しい使い方」**を教えることです。
- 就業規則に「AI利用規定」を追加したい
- 社員向けの「AI誓約書(機密を入力しません)」を作りたい
そんな時は、飛騨屋社労士事務所にご相談ください。 最新のガイドラインに沿った、「会社を守りながら攻める」ためのルール作りをサポートします。


コメント