「傷病手当金」が終わる時、トラブルが起きる
「先生、休職中の〇〇君、もう1年半経つけど復帰は無理そうだ…」 「辞めてもらうしかないが、収入がなくなると揉めそうで怖い…」
関市の企業様からも、こうした「メンタルヘルス不調による長期休職」のご相談が急増しています。 健康保険からの「傷病手当金」は、原則1年6ヶ月で打ち切られます。 その先、収入がゼロになった社員は、不安から会社にしがみついたり、あるいは会社を訴えたりするケースも少なくありません。
そこで社長に知っておいていただきたいのが、**「障害年金」**です。 「え? 障害年金って、身体の障害だけじゃないの?」 そう思われている社長が多いのですが、実は今、精神疾患での受給が非常に増えているのです。
1. 国のデータが示す「精神疾患」での受給の可能性
厚生労働省がまとめた最新の**「障害年金の認定状況に関する調査報告書」**を見てみましょう。 ここには、年金の審査がどのように行われているかの実態が記されています。
報告書の中で特に注目すべきは、**「精神障害・知的障害」**に関する記述の多さです。 実は現在、障害年金の請求で最も多い原因の一つが、うつ病や統合失調症などの「精神の障害」なのです。
「仕事のストレスでうつになった」 「発達障害で、どうしても職場のルールになじめない」
こうした理由で働けなくなった場合でも、一定の要件(初診日の証明や保険料納付など)を満たせば、国から年金が支給される可能性があります。
2. なぜ「会社」がこれを提案すべきなのか?
「それは個人の問題でしょ?」と思われるかもしれません。 しかし、会社からこの情報を伝えてあげることには、経営上の大きなメリットがあります。
- 「解雇」ではなく「支援」になる 「クビだ」と言うと角が立ちますが、「生活を支えるために、こういう制度があるから申請してみないか? 手伝うよ」と言えば、それは福利厚生になります。
- 復職プレッシャーからの解放 社員自身も「早く治して戻らなきゃ(でも戻れない)」と焦っています。年金という経済的基盤ができることで、安心して療養に専念でき、結果として**「退職」という選択肢を前向きに選べる**ようになります。
3. ただし、申請のハードルは高い…だからプロがいる
障害年金の申請は、正直に言ってめちゃくちゃ大変です。 報告書にも「認定医による判定」「診断書の記載内容」といった細かい審査基準の検証が書かれていますが、素人が適当に書類を書くと、本来もらえるはずのものが「不支給」になることが多々あります。
- 初診日はいつか?(何年も前のカルテが必要になることも)
- 日常生活でどれだけ困っているか?(医師に正しく伝わっているか)
- 申立書の書き方は適切か?
これらを、メンタルが弱っている本人が一人でやるのは酷です。
まとめ:トラブル防止のための「最後の福利厚生」
会社を守るため、そして何より、働けなくなった社員の生活を守るため。 「障害年金」という選択肢を提示できるかどうかで、休職トラブルの結末は大きく変わります。


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