
「入院中の給料」で揉めないために
「社長、うちの人が怪我で1ヶ月入院することになって…今月の生活費、どうなるんでしょうか?」 従業員の奥様から、不安そうな声で電話がかかってきたら、どう答えますか?
「労災保険に入ってるから、国からお金が出るよ! 安心しな!」 と答えた社長、90点です。 実は、最初の3日間については、国の保険は使えず、会社が自腹で払わなければならないことをご存知でしょうか?
今回は、意外と知られていない**「休業補償の3日ルール(待期期間)」と、社長を悩ませる「平均賃金の計算」**について解説します。
1. 最初の3日間は「社長の義務」です
資料(休業給付のパンフレット)の2ページ目をよーく見てください。 労災保険からお金(休業補償給付)が出るのは、**「休業4日目から」**と書かれています。
では、**「最初の1日目〜3日目」はどうなるのか? 実は、労働基準法により、「会社が平均賃金の60%以上を支払わなければならない」**と決まっています。
これを**「待期期間(たいききかん)」**と呼びます。
- 1日目〜3日目: 会社が払う(会社の義務)
- 4日目以降: 国(労災保険)が払う
「全部保険でなんとかなる」と思って放置していると、この3日分が未払いになり、従業員から「法律違反だ!」と訴えられるリスクがあります。たった3日分と侮ってはいけません。
2. 「給料の8割」も貰えるの!?(手取りは減らない)
4日目以降は、労災保険からお金が振り込まれますが、その金額は驚くほど手厚いです。
- 休業(補償)給付: 給付基礎日額の 60%
- 休業特別支給金: 給付基礎日額の 20%
- 合計: 給料の 80%
「えっ、給料の8割しか出ないの? 生活が苦しいよ…」と心配する従業員さんには、こう教えてあげてください。 「労災の給付金には、税金も社会保険料もかからないんだよ」
給料から色々引かれる前の「額面の80%」が非課税で振り込まれるので、実質的な手取り額は、働いている時とほとんど変わらない(むしろ多い)こともあります。 これを知っていれば、従業員さんも安心して治療に専念できます。
3. 書類作成の最大の壁「平均賃金の計算」
さて、ここからが社長にとっての地獄です。 この手続きをするには、**「様式第8号(休業補償給付請求書)」**を書かなければなりません。
ここに記入する**「給付基礎日額(平均賃金)」**の計算が、とにかくややこしい!
- 直近3ヶ月の賃金総額を計算する(締め日は?残業代は?)
- 入社したばかりの人はどうする?
- ボーナスは含めるの?含めないの?
計算を間違えると、給付金が少なくなって従業員に損をさせたり、逆に多く貰いすぎて後で返還請求が来たりします。 慣れていない人がやると、高確率でハローワークから「計算間違ってますよ」と突き返されます。
まとめ:計算はプロに丸投げして、お見舞いに行ってあげてください
従業員が怪我をして休む時、社長がやるべきことは2つです。
- 最初の3日分の補償をちゃんと払うこと。
- 4日目以降の複雑な計算と申請を、社労士に任せること。
面倒な書類作成は飛騨屋社労士事務所が引き受けます。 社長は、計算機と格闘する時間を、「大丈夫か?」と従業員さんにお見舞いの連絡を入れる時間に使ってあげてください。 その一言が、復帰後のやる気に繋がります!


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