2026年春、給与明細に「謎の項目」が増えます
「あれ? 手取りがまた減ってる?」 「社長、この『支援金』って何ですか?」
再来年(2026年)の春、従業員からこんな質問が殺到するかもしれません。 こども家庭庁から、新しい制度**「子ども・子育て支援金」**の詳細が発表されました。
簡単に言うと、**「少子化対策のお金を、社会保険料(健保)と一緒に集めますよ」という制度です。 「実質負担ゼロ」と報道されていますが、企業実務としては「確実に負担(手間)」**が増えます。
今回は、関市の中小企業経営者が知っておくべき「金銭的負担」と「事務的負担」について解説します。
1. いったいいくら引かれるの?(0.23%の衝撃)
資料によると、この制度が始まるのは令和8年(2026年)4月から 。 実際の給与天引きは5月支給分からになる会社が多いでしょう。
気になる「料率」ですが、現状では**「0.23%」とされています 。 これを会社と従業員で折半(半分ずつ負担)**します 。
【試算例:月給30万円の社員の場合】
- 支援金の総額: 約690円
- 本人の負担: 約345円
- 会社の負担: 約345円
「なんだ、数百円か」と安心しましたか? しかし、これは社員1人あたりの金額です。10人、50人、100人と社員がいれば、会社が負担する「見えない固定費」は確実に積み上がります。 しかも、「賞与(ボーナス)」からも同じように引かれます 。
2. 「実質負担なし」のカラクリと現場のリアル
政府の説明資料には、こう書かれています。
「社会保障の歳出改革を行い(中略)保険料の負担を軽減させるため、実質的な負担はありません」
つまり、「他の保険料を削って安くするから、トータルでは変わらないよ」という理屈です。 しかし、現場の感覚としてはどうでしょうか? 「医療保険料」と合わせて徴収されるため 、給与明細上の見た目は**「社会保険料が高止まりしている」**ようにしか見えません。
従業員さんへの説明を間違えると、「会社が勝手に引いている」と誤解されかねないポイントです。
3. 経理・総務担当者が泣きを見る「事務負担」
お金の問題以上に厄介なのが、**「給与計算ソフトの設定変更」**です。
- 2026年4月までに、給与システムに新しい料率を登録しなければなりません。
- 従業員への周知文書を作成しなければなりません。
- もし「給与規定」に控除項目の細かい記載があるなら、変更が必要かもしれません。
ただでさえ忙しい年度始め(4月・5月)に、この作業がプラスされるのです。
まとめ:2026年問題は「人」と「金」のダブルパンチ
2026年には、この「支援金」だけでなく、**「パートへの社会保険適用拡大(企業規模要件の撤廃)」や「同一労働同一賃金(家族手当等の見直し)」**など、給与計算に関わる法改正が目白押しです。
「たかが0.23%」と侮っていると、給与計算ミスや、従業員からの不信感につながりかねません。


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