
「新しいルール」の前に、「今のルール」守れていますか?
「2026年から家族手当が変わるらしいね」 「支援金制度の対応、どうしようか」
最近、こうした未来の話を社長とすることが増えました。 意識の高い経営者様とお話しできるのは嬉しいことですが、時々ヒヤッとする瞬間があります。
「ところで社長、従業員との『雇用契約書(労働条件通知書)』、最新版になっていますか?」
と聞くと、「えっ、昔のままだけど…」と口ごもるケースが意外と多いのです。 実は、どんなに新しい制度を入れても、**「労働基準法の基礎」**ができていないと、後で全部ひっくり返るようなトラブルになります。
今日は、厚生労働省の最新資料をもとに、社長が「うっかり」やりがちな3つの落とし穴を再確認します。
1. 「口約束」はトラブルの元! 労働条件の明示
採用面接で「うちは残業代込みで月30万だから」と言って、そのまま働かせていませんか? 労働基準法では、採用時に賃金や労働時間などの条件を書面で明示することが義務付けられています 。
特にトラブルになりやすいのが、以下の項目です。
- 契約期間: いつまで働くのか
- 就業場所・業務内容: 将来の変更(転勤など)はあるか
- 退職・解雇のルール: 辞める時の決まり
「言った言わない」の水掛け論ほど、会社を疲弊させるものはありません。 まずは「紙(またはデータ)で渡す」。これが鉄則です。
2. 「36協定」なしの残業は、1分でも違法です
「うちは忙しいから残業は当たり前」 その気持ちは分かりますが、**「36協定(サブロクキョウテイ)」**を毎年届け出ていますか? これがないと、**法定労働時間(1日8時間・週40時間)**を超えて働かせることは、法律上1分たりともできません 。
さらに、協定を結んでいても**「上限規制」があります。 原則は月45時間・年360時間**まで 。 特別な事情があっても、年720時間以内などの「絶対超えてはいけないライン」があります 。
特に建設業や運送業の社長様、2024年から上限規制が厳しく適用されていますので、再確認が必要です 。
3. 「有給休暇」は会社が取らせる義務があります
「うちは小さい会社だから、有給なんて余裕はないよ」 その理屈はもう通用しません。 年10日以上の有給休暇がある従業員には、「年5日」を確実に取得させることが会社の義務です 。
「忙しいから取れない」ではなく、「どうやったら取れるか」を考えないと、労働基準監督署の指導対象になります。
まとめ:土台がしっかりしてこそ、2026年を乗り越えられる
「企業価値担保権」や「新しい家族手当」。 こうした新しいことに挑戦できるのは、**「当たり前のルール」**が守られている会社だけです。
「そういえば、就業規則もずっと見直していないな…」 「36協定、去年の日付のままかも…」
そう思った社長、今がチャンスです。 飛騨屋社労士事務所では、最新の法改正対応はもちろん、こうした**「足元の法令遵守チェック(労務監査)」**も行っています。
基礎固めと未来への準備、一緒に進めていきましょう。


コメント