「社長の個人保証」がなくなる!? 土地・建物がなくても融資が受けられる新制度「企業価値担保権」とは?

銀行で追加融資を相談するも不動産担保がなく断られかけ、さらに個人保証という重圧の岩に押しつぶされそうになる町工場の社長を描いた4コマ漫画。そこへ社労士キャラクター「ヒダヤマン」が登場し、「これからは『会社の技術』や『ノウハウ』が担保になります!個人保証も原則不要です!」と企業価値担保権のメリットを解説して個人保証の岩を打ち砕く。最後は、新制度のおかげで資金調達の目処が立ち、工場の新しい機械の前で「よし、これで思い切って挑戦できるぞ!」と晴れやかな笑顔を見せる社長の姿で締めくくられる。

「土地がないと金は貸さん」の時代が終わります

「新しい設備を入れたいけど、もう担保に入れられる不動産がない…」 「融資を受けるために、また私の個人保証(連帯保証)を入れなきゃいけないのか…」

関市のものづくり企業の社長様から、よくこんなため息交じりのご相談をいただきます。 日本の融資は長年、「不動産担保」と「経営者保証」に頼りきりでした。

しかし、この常識があと1〜2年で劇的に変わります。 今日は、金融庁が準備を進めている新制度**「企業価値担保権」**について、どこよりも分かりやすく解説します。


1. 「目に見えない資産」がお金に変わる!

これまでの銀行は、土地や工場といった「有形資産」を担保にしていました 。 しかし、新しい法律(事業性融資の推進等に関する法律)では、以下のような**「無形資産」**も担保として認められるようになります

  • 独自の技術ノウハウ
  • 長年築いた顧客基盤
  • 従業員のスキル
  • 将来生み出すキャッシュフロー(稼ぐ力)

これらをひっくるめて**「事業全体(企業価値)」**とみなし、それを担保にお金を貸そうという制度です 。 まさに、技術力が高いのに関市の町工場にうってつけの制度と言えます。


2. 最大のメリットは「社長の個人保証が不要」

この制度の最大の目玉は、これです。 資料にはハッキリとこう書かれています。

「粉飾等があった場合を除き、経営者保証の利用を制限」

つまり、この制度を使って融資を受ける場合、原則として社長が連帯保証人になる必要がなくなります。 「会社が潰れたら一家離散…」という恐怖から解放され、思い切った事業展開や、若手への事業承継がしやすくなります


3. もし会社が倒産したらどうなる?(社労士の視点)

「事業そのものを担保に取るなら、失敗したら会社ごと銀行に取られるの?」 と不安になるかもしれません。

万が一、返済ができなくなった場合、裁判所が選任した「管財人」が事業を管理し、スポンサーを見つけて「事業譲渡」を行うことになります 。 ここで重要なのが、従業員の保護です。

新しい法律では、担保権の実行時(事業譲渡時)に、 「未払いの給料(労働債権)や取引先への支払い(商取引債権)は、銀行への返済よりも『優先して』支払う」 というルールが定められています

つまり、銀行だけが得をするのではなく、**「事業を継続させ、雇用を守る」**ことが最優先される仕組みになっているのです


まとめ:2026年に向けて「磨くべき」は技術と人

この制度は、2026年頃の本格スタートが見込まれています。 その時、銀行はあなたの会社のどこを見るでしょうか? 土地の値段ではありません。**「技術力」と「人材」**です。

「うちは担保がないから…」と諦める必要はありません。 今のうちから、就業規則を整え、人を育て、事業計画をしっかり作っておくことが、将来の「無担保・無保証」での資金調達に繋がります。

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