2026年(令和8年)1月、長年親しまれてきた「下請法」が改正され、新たに**「中小受託取引適正化法(通称:取適法)」**として施行されました。 これに伴い、中小企業庁からは新しいルールに対応したガイドブック(適正取引ガイド)が公開されています。
今回は、経営者やフリーランスの方が絶対に知っておくべき、この法律の「3つの変更ポイント」をわかりやすく解説します。
1. 名前が変わっただけじゃない!「適用範囲」が拡大
まず大きな変化は、法律の名称変更です。「下請」という上下関係を感じさせる言葉がなくなり、**「委託事業者(発注側)」と「中小受託事業者(受注側)」**という呼び方に変わりました。
さらに重要なのが、法の網にかかる対象範囲の拡大です。
- これまでの基準:資本金の額で判定(例:資本金1,000万円超など)
- 新しい基準:資本金に加え、「従業員数」による基準が追加
これにより、「資本金は小さいけれど従業員が多い(実質的な大企業)」といった事業者からの発注も、新たに規制の対象となります。 「うちは資本金が少ないから関係ない」と思っていた発注企業も、今後はルールを守る義務が発生する可能性があります。
2. 「手形払い」は原則禁止へ。60日以内の現金化がルール
長年の課題だった支払いサイトの問題にもメスが入りました。 今回の改正で、手形による支払いは原則禁止となり、「納品から60日以内の現金払い」(または60日以内に現金化できる電子記録債権など)が義務付けられました。
- NGになる行為:
- 満期まで数ヶ月かかる手形での支払い
- 60日を超える長期の支払いサイト設定
資金繰りに苦しむ中小企業やフリーランスにとって、これは非常に大きな改善点です。もし取引先から手形払いを打診された場合は、この新法を根拠に交渉することができます。
3. 「価格交渉の無視」や「振込手数料の負担」も違反に
昨今の物価高騰を受け、価格転嫁に関するルールも厳格化されています。
- 協議拒否の禁止: 原材料費や労務費が上がっているのに、価格交渉の協議に応じず、一方的に価格を据え置く行為が禁止されました。
- 振込手数料の差し引き禁止: 報酬を支払う際、振込手数料を受注側に負担させて差し引く行為は、明確に**「不当な減額」**として禁止行為に追加されました。
まとめ:ガイドブックで自社をチェックしよう
今回の法改正は、発注側にとってはコンプライアンスの強化が、受注側にとっては自分の身を守るための強力な武器となります。
中小企業庁が配布している**「適正取引ガイド(toriteki_guide.pdf)」**には、より詳しいチェックリストや相談窓口が掲載されています。 「知らなかった」で済まされる問題ではありませんので、ぜひ一度目を通しておくことをおすすめします。
参考リンク:中小企業庁|適正取引支援サイト
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