労務・補助金ニュースレター(週刊)

第1章 法令改正・審議会動向

対象期間中に公表された法令改正・通達に加え、今後の制度変更につながりうる審議会・検討会の動向をまとめました。

 法令改正 

1. 36協定・時間外労働の監督指導方針を転換

対象: 労働基準法/時間外労働の監督指導(厚生労働省)

厚生労働省は「日本成長戦略」「骨太の方針2026」(いずれも令和8年7月21日閣議決定)を踏まえ、2026年9月1日より、①働き方改革推進支援センターに36協定・特別条項の締結等を支援する「専門相談窓口」を新設してアウトリーチ型の支援を実施すること、②労働基準監督署の指導方針を、時間外・休日労働「月45時間以内」への一律削減要求から、36協定で定めた健康・福祉確保措置の実施状況を重点的に確認する方式へ転換することを公表しました。

なお、過重労働リスクが高い事業場に対しては、引き続き必要な指導が行われるとされています。

実務上のポイント ・監督の主眼が「時間数の削減」から「健康福祉確保措置の実施状況」(代償休日付与、産業医面接指導等)に移るため、36協定の付帯措置の整備・記録化が重要になります。 ・9月以降の監督対応にあたり、就業規則・36協定の内容を改めて点検することをおすすめします。

出典・参照リンク

厚生労働省「時間外労働等に係る相談・支援及び監督指導を見直します」 https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_75454.html

 法令改正 

2. 令和8年熊本地震に伴う雇用調整助成金の特例措置

対象: 雇用保険法施行規則/雇用調整助成金(厚生労働省)

2026年7月28日発生の熊本地震を受け、経済上の理由により事業活動の縮小を余儀なくされた事業所を対象に、雇用調整助成金の特例措置が実施されています。全国特例として、生産指標確認期間の短縮(3か月→1か月)、雇用量増加要件の撤廃、設置後1年未満の事業主も対象化、計画届の事後提出容認等が行われるほか、熊本県内の事業所には残業相殺ルールの撤廃等の追加特例も設けられています。

特例の対象期間は発災日(2026年7月28日)から令和9年1月27日までです。同日開催の労働政策審議会職業安定分科会の答申を経て、関係省令が公布・即日施行されました。

実務上のポイント ・熊本県内・県外を問わず、取引先の被災等により間接的な影響を受けている事業所も対象となり得ます。 ・休業を検討されている顧問先には、特例要件を確認のうえ早めのご相談をおすすめください。

出典・参照リンク

厚生労働省「令和8年熊本地震に伴う雇用調整助成金の特例を実施します」 https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_75665.html

 法令改正 

3. 賃金不払が疑われる事業場に対する監督指導結果(令和7年)を公表

対象: 労働基準法/賃金不払(厚生労働省)

厚生労働省は、令和7年に労働基準監督署が実施した監督指導のうち、賃金不払が疑われた事案の状況を公表しました。件数は22,605件(前年比251件増)、対象労働者173,016人、金額128億5,782万円で、うち96.1%(21,731件)が指導により是正済みとされています。

実務上のポイント ・賃金不払事案の件数は増加傾向にあります。労働時間管理・賃金台帳の適正化について、改めて顧問先へのご案内材料としてご活用ください。

出典・参照リンク

厚生労働省「賃金不払が疑われる事業場に対する監督指導結果(令和7年)を公表します」 https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_75588.html

 法令改正 

4. 特定技能制度関連の様式・運用要領を更新(外国人雇用)

対象: 特定技能制度(出入国在留管理庁)

出入国在留管理庁は「特定技能外国人の受入れに関する運用要領」および特定技能関係の申請・届出様式一覧、提出書類一覧表を更新したことを公表しました。ただし、具体的な変更箇所については原文PDF資料の確認が必要であり、本調査の一次情報上では特定できませんでした。

実務上のポイント ・特定技能外国人を受け入れている、または受け入れを検討している顧問先がある場合は、原文PDFで変更点をご確認のうえご案内ください。

出典・参照リンク

出入国在留管理庁「特定技能制度」 https://www.moj.go.jp/isa/applications/ssw/index.html

 審議会動向 

5. 第226回労働政策審議会職業安定分科会(8/20開催)

対象: 労働政策審議会 職業安定分科会

熊本地震に伴う雇用調整助成金の特例措置の実施にあたり、雇用保険法施行規則の一部を改正する省令案要綱が同日諮問・答申され、即日省令が公布・施行されました。緊急案件のため、開催案内から答申・施行までが極めて短期間で進行しています。

実務上のポイント ・今回の災害対応としての特例運用は、今後の大規模災害時における標準対応の先例となる可能性があります。

出典・参照リンク

厚生労働省「第226回労働政策審議会職業安定分科会を開催します」 https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_021225156_00113.html

 審議会動向 

6. 「事業場における労働者の健康保持増進の在り方に関する検討会」報告書を公表(8/21)

対象: 労働安全衛生法関連(厚生労働省 検討会)

厚生労働省労働基準局安全衛生部が事務局を務める同検討会(座長:髙田礼子・聖マリアンナ医科大学教授)の報告書が取りまとめられ、公表されました。

実務上のポイント ・今回の報告書は、今後の労働安全衛生規則等の改正や、事業場の健康保持増進計画の見直しに向けた土台となる可能性があります。労働政策審議会安全衛生分科会等での今後の制度化議論の行方を注視する必要があります。

出典・参照リンク

厚生労働省「『事業場における労働者の健康保持増進の在り方に関する検討会』の報告書について」 https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_75733.html

 審議会動向 

7. 地方最低賃金審議会の答申が拡大(29→33都道府県)

対象: 最低賃金法/中央最低賃金審議会・地方最低賃金審議会

令和8年度地域別最低賃金額改定の目安(中央最低賃金審議会、7月28日答申・全国加重平均+55円=1,176円)を受け、各都道府県の地方最低賃金審議会での審議・答申が対象期間中も進行しました。8月17日時点で29都道府県、8月21日時点で33都道府県が答申済みとなり、東京都は1,280円(全国最高額)で答申しています。福島・宮城・栃木・群馬・埼玉・千葉・富山・愛知・静岡・岡山・山口・福岡など多数の県で目安額を上回る「上乗せ答申」が相次ぎました。

8月中に全都道府県の答申が出そろい、官報告示を経て10月から順次発効する見込みです。

実務上のポイント ・10月の最低賃金改定に向けて、対象となる従業員の時給・月給の点検を早めにご案内ください。特に上乗せ答申が出た都道府県では、目安以上の引き上げ幅となる点にご留意ください。

出典・参照リンク

厚生労働省「令和8年度地域別最低賃金額改定の目安について」 https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_74920.html

労働条件分科会、雇用環境・均等分科会、雇用保険部会、労災保険部会、人材開発分科会、社会保障審議会各部会(年金部会・医療保険部会・介護保険部会)、中央最低賃金審議会本体、衆議院・参議院厚生労働委員会、経済産業省・中小企業庁関連審議会については、対象期間中の開催は確認されませんでした(国会は閉会中)。

 実務確認 

8. カスタマーハラスメント防止措置の義務化に向けた準備状況の確認

対象: 改正労働施策総合推進法(2026年10月1日施行)

新着情報ではありませんが、カスタマーハラスメント防止措置の義務化が2026年10月1日に施行されます。指針で定める相談体制の整備、対応マニュアルの整備等の準備状況を、就業規則改定・ハラスメント防止規程の整備とあわせて、この機会に顧問先へご確認いただくことをおすすめします。

実務上のポイント ・施行まで1か月余りとなりました。相談窓口の周知、対応マニュアルの整備、管理職向け研修の実施状況を今のうちに点検しましょう。

出典・参照リンク

出入国在留管理庁(カスタマーハラスメント防止措置の概要資料) https://www.moj.go.jp/isa/content/001462089.pdf

第2章 助成金・補助金 新着情報

補助金の制度別ステータス一覧は毎回全件を掲載し、前回から変化があった制度には「★更新」を付けています。詳細案内は今回変化があった制度のみ掲載しています。

■ 補助金 制度別ステータス一覧(毎回全件掲載)

制度名状況募集期間概要・備考
ものづくり補助金 (23次締切分)終了 (採択発表済)2026-02-06 〜2026-05-08採択率約35.1%(448/1,275件)。24次の日程は未発表
新事業進出・ものづくり 商業サービス補助金 (第1回)募集開始前 (要領公開済)受付:2026-09-30 〜2026-10-30旧ものづくり補助金の後継。上限2,500万円〜9,000万円(枠により異なる)
デジタル化・AI導入 補助金2026募集中 (締切間近)★更新5次締切: 2026-08-25 17:00交付決定予定2026-10-07。6次締切は実施予定だが日程未発表
小規模事業者持続化補助金 (一般型・通常枠・第20回)募集開始前2026-11-05 〜2026-12-15事業支援計画書発行締切2026-12-04
小規模事業者持続化補助金 (創業型・第4回)募集開始前2026-11-05 〜2026-12-15詳細金額は公募要領で要確認
小規模事業者持続化補助金 (共同・協業型・第3回)募集中2026-08-14 〜2026-09-30地域振興等機関を通じた複数小規模事業者向け
小規模事業者持続化補助金 (災害支援枠・第10次)募集中2026-07-27 〜2026-10-16令和6年能登半島地震等対象。10次で終了予定
事業再構築補助金新規募集終了第13回で新規応募終了。後継は大規模成長投資補助金
事業承継・M&A補助金 (15次公募)交付決定待ち受付:2026-06-19 〜2026-07-24採択者決定(交付決定)の発表は未掲載
事業承継・M&A補助金 (14次公募)交付申請受付中2026-05-22〜8/18付で専門家活用枠の様式(計画変更承認申請書)を軽微更新
大規模成長投資補助金 (6次公募)募集中 (締切間近)2026-07-31 〜2026-08-31 17:00補助上限50億円。100億宣言企業向け類型は宣言申請期限8/17済み。熊本地震被災事業者向け相談特例あり
中小企業省力化投資補助金 (一般型・第8回)募集開始 (要領公開)★更新受付:9月中旬 締切:10月中旬(予定)2026-08-18公募要領公開。「基準年度」の定義変更あり。熊本地震被災事業者は審査で配慮
中小企業成長加速化補助金 (3次公募)募集開始 (要領公開)★更新受付:2026-09-29 〜2026-10-29 15:002026-08-20公募要領公開。売上高100億円超を目指す投資支援、補助上限最大5億円

厚生労働省の助成金(キャリアアップ助成金、働き方改革推進支援助成金、業務改善助成金)は今回変化がなかったため、一覧表には含めていません。

■ 特にご案内が必要な制度(詳細)

 補助金 

1. 中小企業省力化投資補助金(一般型・第8回)が募集開始

対象: 中小企業省力化投資補助金(中小企業庁)

2026年8月18日、中小企業省力化投資補助金(一般型)の第8回公募要領が公開され、募集が開始されました。申請ポータルでの受付開始は9月中旬、締切は10月中旬を予定しています。今回の公募では「基準年度」の定義が、応募申請時の直近決算期から補助事業完了日を含む事業年度の決算期に変更されました。

なお、令和8年熊本地震の被災事業者(熊本県内)については審査で配慮される予定です。

実務上のポイント ・GビズIDプライムアカウントの事前取得が申請の必須条件です。省力化・自動化投資を検討中の顧問先には、今のうちに準備を促しましょう。

出典・参照リンク

中小企業庁「中小企業省力化投資補助事業(一般型)の第8回公募要領を公開しました」 https://www.chusho.meti.go.jp/koukai/hojyokin/kobo/2026/260818001.html

中小企業省力化投資補助金 公式サイト https://shoryokuka.smrj.go.jp/

 補助金 

2. 中小企業成長加速化補助金 3次公募の公募要領を新規公開

対象: 中小企業成長加速化補助金(中小企業庁)

2026年8月20日、中小企業成長加速化補助金の3次公募の公募要領が新規公開されました。売上高100億円超を目指す中小企業の大胆な投資を支援する制度で、申請受付期間は2026年9月29日〜10月29日15:00、補助上限は最大5億円です。

実務上のポイント ・成長投資を検討している顧問先には、9月末の受付開始に向けて早めの情報提供・準備支援が有効です。

出典・参照リンク

中小企業庁「中小企業成長加速化補助金 3次公募について」 https://www.chusho.meti.go.jp/koukai/hojyokin/kobo/2026/260820001.html

100億企業成長ポータル https://growth-100-oku.smrj.go.jp/

 助成金・締切間近    締切目安:2026年8月25日(火)17:00

3. デジタル化・AI導入補助金2026 5次締切分が締切間近

対象: デジタル化・AI導入補助金2026(旧IT導入補助金)

デジタル化・AI導入補助金2026(旧IT導入補助金)の5次締切分は2026年8月25日17:00が締切です。交付決定は2026年10月7日を予定しています。次回(6次締切分)の実施は予定されていますが、締切日等の詳細スケジュールは現時点で未公表です。

実務上のポイント ・申請をご検討中の顧問先には、締切が目前であることを至急ご案内ください。間に合わない場合は6次締切分の日程公表をお待ちいただく形になります。

出典・参照リンク

デジタル化・AI導入補助金2026 事業スケジュール https://it-shien.smrj.go.jp/schedule/

 助成金・締切間近    締切目安:2026年8月31日(月)17:00

4. 大規模成長投資補助金 6次公募が締切間近

対象: 中堅・中小・スタートアップ企業の大規模成長投資補助金(6次公募)

中堅・中小・スタートアップ企業の賃上げに向けた省力化等の大規模成長投資補助金(6次公募)は、2026年8月31日17:00が締切です。予算総額2,000億円、補助上限50億円(補助率1/3以下)で、投資額20億円以上・3年平均賃上げ率5.0%以上等が要件となります。なお「100億宣言企業」向け類型の宣言申請期限(8月17日)は対象期間の初日にすでに到来しています。

あわせて、令和8年熊本地震の被災事業者向けの個別相談対応の特例も案内されています。

実務上のポイント ・大規模投資を検討している顧問先がいる場合、締切まで残りわずかです。至急の確認・ご相談をおすすめします。

出典・参照リンク

大規模成長投資補助金 公式サイト https://chukentou-seichotoushi-hojo.jp/

第3章 経済トピックス(顧問先との会話ネタ)

訪問・お電話の際の話題づくりにご活用いただける、対象期間中の経済ニュースをまとめました。

 経済ニュース 

1. 長期金利が約30年ぶりの高水準に

8月17日、新発10年物国債の利回りが一時2.930%まで上昇し、1996年以来約30年ぶりの高水準となりました。日米協調為替介入や財政拡張懸念、日銀の利上げ加速観測が背景です。

出典・参照リンク

日本経済新聞「長期金利30年ぶり高さ 日銀利上げ観測と財政懸念」 https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUB171WC0X10C26A8000000/

 経済ニュース 

2. 岐阜県海津市の部品製造業者が破産、負債11億円

8月18日、岐阜県海津市の部品製造業者が破産手続きを開始したと報じられました。負債額は11億円とされています。

出典・参照リンク

岐阜新聞デジタル「海津市の部品製造業、破産手続き開始」 https://www.gifu-np.co.jp/articles/-/755714

 経済ニュース 

3. 東海3県上場企業、4〜6月期は8割増収・6割増益

8月18日の中部経済新聞の報道によると、愛知・岐阜・三重の東海3県上場企業の2026年4〜6月期決算は、約8割が増収、約6割が増益となりました。円安が追い風となり、自動車関連企業の業績が堅調に推移しています。

出典・参照リンク

中部経済新聞「東海3県上場 4〜6月期 8割増収、6割増益」 https://www.chukei-news.co.jp/news/2026/08/18/OK0002608180101_01/

 経済ニュース 

4. doda転職求人倍率、7月は2.71倍に上昇

8月20日発表のdoda転職求人倍率2026年7月分は2.71倍となり、前月から0.16ポイント上昇しました。中途採用市場では求人が求職者数を引き続き上回っています。

出典・参照リンク

パーソルキャリア「doda転職求人倍率2026年7月」 https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000001080.000022215.html

 経済ニュース 

5. 全国消費者物価指数、7月分は前年比1.9%上昇に拡大

8月21日発表の全国消費者物価指数(総合)は前年同月比1.9%上昇となり、6月の1.6%から上昇幅が拡大しました。菓子類・調理食品・生鮮魚介・生鮮野菜など食料品の値上がりが主な押し上げ要因です。

出典・参照リンク

総務省統計局「消費者物価指数 全国 2026年7月分」 https://www.stat.go.jp/data/cpi/sokuhou/tsuki/index-z.html

 経済ニュース 

6. 日経平均、米国株安の余波で反落

8月21日の東京株式市場で日経平均株価は前日比200円43銭安の66,016円36銭で取引を終えました。前日の米国株が金利上昇を嫌気して下落した流れを受け、消費関連株などに売りが優勢となりました。

出典・参照リンク

株探ニュース「日経平均 大引け(8月21日)」 https://kabutan.jp/news/marketnews/?b=n202608210996

 経済ニュース 

7. 岐南町のスーパー「三心」がベイシアに転換、9月オープンへ

8月22日、関東地盤のスーパー大手ベイシア(前橋市)が、羽島郡岐南町の「三心岐南店」をベイシアの店舗に衣替えすると発表しました。9月のオープンを予定しています。

出典・参照リンク

岐阜新聞デジタル「三心からベイシアに転換 岐南町の店舗、9月オープンへ」 https://www.gifu-np.co.jp/articles/-/757769

 経済ニュース 

8. 中小企業省力化投資補助金 第8回公募が開始

8月18日、中小企業庁が省力化投資補助事業(一般型)の第8回公募要領を公開しました。人手不足対策としての設備投資を検討する経営者との会話にも活用できる話題です(詳細は第2章参照)。

出典・参照リンク

中小企業庁「中小企業省力化投資補助事業(一般型)の第8回公募要領を公開しました」 https://www.chusho.meti.go.jp/koukai/hojyokin/kobo/2026/260818001.html

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