労務・補助金ニュースレター(週刊)

第1章 法令改正・審議会動向

労働基準法、社会保険、雇用保険等の新着情報に加え、今後の制度改正の方向性を示す審議会・検討会の動向をまとめています。

 法令改正 

1. 技能実習計画の認定取消し(実習実施者8者)

対象: 外国人技能実習制度

出入国在留管理庁と厚生労働省は8月26日、株式会社阿部縫製、宇明浩合同会社、鹿島インダストリ有限会社、鹿島電産株式会社、小寺道、小松興業有限会社、村井哲也、明文堂工業株式会社の計8者について、技能実習計画の認定を取り消したと公表しました。取消事由の詳細は個別に公表されています。

縫製業・製造業を中心とした事案が目立っており、技能実習・特定技能の受入れを行う顧問先がある場合は、コンプライアンス体制の点検を促す材料として活用できます。

実務上のポイント ・技能実習・特定技能の受入れ企業には、監理団体・登録支援機関との連携状況の再確認をご案内ください。 ・認定取消しは在留資格全体への影響もあるため、外国人材の雇用継続に関する相談があった際は早めの対応が重要です。

出典・参照リンク

厚生労働省「技能実習法に基づく行政処分等を行いました」 https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_75449.html

 法令改正 

2. 令和8年3月新卒者の採用内定取消し等の状況を公表

対象: 職業安定法施行規則第35条

厚生労働省は8月28日、令和8年3月新卒者の採用内定取消しが29事業所・80人(前年:21事業所・34人)、入職時期の繰下げが2事業所・2人(前年:2事業所・93人)であったと公表しました。内定取消し件数・人数は前年より増加しています。

内定取消しは解雇権濫用法理に準じた厳格な判断が求められるほか、職業安定法施行規則に基づく労働局への通知義務があります。来春(令和9年3月)採用に向けた活動が本格化する時期でもあり、注意喚起に適したタイミングです。

実務上のポイント ・内定取消しを検討している顧問先には、まず取消しの合理的理由の有無を確認するようご案内ください。 ・労働局への通知義務(職業安定法施行規則第35条)の履行状況もあわせてご確認ください。

出典・参照リンク

厚生労働省「令和8年3月新卒者採用内定取消し等の状況を公表します」 https://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/0000184815_00066.html

 法令改正 

3. 毎月勤労統計調査・一般職業紹介状況の最新データ公表

対象: 賃金・雇用統計

毎月勤労統計調査(令和8年6月分・確報)では、現金給与総額(事業所規模5人以上)が534,823円で前年同月比+4.0%、所定内給与は+3.5%となりました(8月24日公表)。

また一般職業紹介状況(令和8年7月分)では、有効求人倍率(季節調整値)は1.18倍で前月と同水準、正社員有効求人倍率は1.00倍でした(8月28日公表)。都道府県別では福井県・山梨県が最高の1.69倍、大阪府が最低の0.95倍でした。

実務上のポイント ・賃上げ交渉や給与制度見直しのご相談の際、相場観の裏付け資料としてご活用いただけます。 ・採用難易度の説明や人材確保関連助成金のご提案の材料としてもお使いください。

出典・参照リンク

厚生労働省「毎月勤労統計調査 2026(令和8)年6月分結果確報」 https://www.mhlw.go.jp/toukei/itiran/roudou/monthly/r08/2606r/2606r.html

厚生労働省「一般職業紹介状況(令和8年7月分)について」 https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_75707.html

 法令改正 

4. 最低賃金基礎調査の調査票紛失・個人情報漏えいのおそれ

対象: 個人情報管理

厚生労働省が委託した「令和8年最低賃金に関する基礎調査」の調査票配送過程で、委託先の再委託先が沖縄県分86事業所・101枚の調査票を紛失し、延べ339人分の個人情報(事業所名、担当者名、労働者名、性別、給与額等)が漏えいしたおそれがあることが8月28日に公表されました。電子化データは別途保管されており、調査結果自体への影響はないとされています。

実務上のポイント ・直接の対応は不要ですが、給与計算等を外部委託している顧問先には、委託先・再委託先の管理体制(配送状況の追跡等)を点検するきっかけとしてご案内いただけます。

出典・参照リンク

厚生労働省「令和8年最低賃金に関する基礎調査の調査票の紛失及び個人情報の漏えいのおそれについて」 https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_75810.html

 審議会動向 

5. 第91回労働政策審議会雇用環境・均等分科会(9月1日開催予定)

対象: 仕事と育児の両立支援

厚生労働省は8月25日、9月1日開催の第91回労働政策審議会雇用環境・均等分科会の開催案内を公表しました。議題は(1)令和9年度予算概算要求(雇用環境・均等局関係)、(2)2025年度の年度評価及び2026年度の目標設定、(3)仕事と育児の両立支援についてです。

「仕事と育児の両立支援」が議題化されており、育児・介護休業法の運用強化や次期制度改正の方向性を示す資料が公表される可能性があります。まだ決定事項ではありませんが、今後の動向として注視が必要です。

実務上のポイント ・育児・介護休業規程の運用状況を点検しておくと、今後の制度改正への対応がスムーズになります。

出典・参照リンク

厚生労働省「第91回 労働政策審議会雇用環境・均等分科会(ペーパーレス会議)を開催します」 https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_75767.html

 審議会動向 

6. 第32回キャリアコンサルタント登録制度等に関する検討会(9月4日開催予定)

対象: キャリアコンサルタント登録・研修制度

8月28日、9月4日開催予定の第32回キャリアコンサルタント登録制度等に関する検討会の開催案内が公表されました。キャリアコンサルタントの登録更新制・研修制度等の見直しが議題となる見込みです。

実務上のポイント ・人材開発支援助成金やキャリアコンサルティングに関わる業務がある場合、登録更新要件の見直し動向にご注意ください。

出典・参照リンク

厚生労働省「第32回キャリアコンサルタント登録制度等に関する検討会を9月4日に開催します」 https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_75342.html

 審議会動向 

7. 地方最低賃金審議会の答申状況(8月30日時点)

対象: 2026年度地域別最低賃金

8月30日時点で43都道府県が答申済みとなりました(残り岩手・佐賀・熊本・沖縄の4県)。全国加重平均は目安どおり+55円の1,176円となる見通しで、岐阜県は+56円の1,121円、東京都は+54円の1,280円(全国最高)です。対象期間中(8/24〜8/28)には徳島(+57円)、茨城(+62円)、宮崎(+62円)、青森(+61円)、鹿児島(+64円、引き上げ額最大)、山形(+60円)、高知(+63円)、長崎(+56円)、大分(+61円)、山梨(+61円)が新たに答申しました。

8月30日時点では、いずれの都道府県も官報告示(正式決定)には至っていません。発効日は各県とも10月1日〜11月16日の範囲で予定されています。

実務上のポイント ・10月以降の最低賃金引き上げに向け、賃金テーブルの見直し状況を顧問先に確認するタイミングとしてご活用ください。 ・正式な官報告示があり次第、あらためてご案内いたします。

出典・参照リンク

都道府県別最低賃金一覧まとめ(各労働局公表資料に基づく) https://taxlabor.com/minimum-wage-japan/

 実務確認 

8. 実務確認リマインド:新卒内定取消しへの対応フロー/委託先の個人情報管理

対象: 実務チェック(新着情報を踏まえたリマインド)

上記の内定取消し件数増加(項目2)と個人情報漏えい事案(項目4)を踏まえ、次の2点をあらためて確認しておくことをお勧めします。

①内定取消しの相談対応フロー:合理的理由の有無の確認、労働局への通知義務の履行。②委託業務における個人情報管理:給与計算等の外部委託先・再委託先の進捗管理・到着確認プロセス、業務委託契約書への明記。

実務上のポイント ・これは新着の法令改正ではなく、直近の公表事案を踏まえた定期的な実務チェックのご提案です。

第2章 助成金・補助金 新着情報

経済産業省・中小企業庁系の「補助金」は毎回全制度を一覧表示し、厚生労働省系の「助成金」は変化があった場合のみ掲載しています。

■ 補助金 制度別ステータス一覧(毎回全件掲載)

制度名状況募集期間概要・対象備考
ものづくり補助金(23次締切分)終了 (採択発表済)2026/2/6 〜5/8枠・類型により異なる。採択率約35.1%(448/1,275件) 
新事業進出・ものづくり商業サービス補助金(第1回)募集開始前 (要領改定済)受付9/30 〜締切10/30革新的新製品・サービス枠:上限2,500万円等/新事業進出枠:上限7,000万円等★更新 (応募申請ガイド公開)
デジタル化・AI導入補助金20265次終了 次回準備中5次締切 8/25終了通常枠/インボイス枠/セキュリティ対策推進枠/複数者連携枠★更新 (優先採択案内)
小規模事業者持続化補助金(一般型・第20回)募集開始前 (準備中)受付11/5 〜締切12/15詳細は公募要領第8版参照 
小規模事業者持続化補助金(創業型・第4回)募集開始前 (要領公開済)受付11/5 〜締切12/15創業者向け販路開拓等支援 
小規模事業者持続化補助金(共同・協業型・第3回)募集中8/14 〜9/30複数小規模事業者の販路開拓等支援 
小規模事業者持続化補助金(災害支援枠・第10次)募集中7/27 〜10/16令和6年能登半島地震等対象 
事業再構築補助金新規募集終了後継は大規模成長投資補助金 
事業承継・M&A補助金(15次公募)受付終了 (交付決定待ち)6/19 〜7/24事業承継促進・専門家活用・廃業再チャレンジ・PMI推進の4枠 
事業承継・M&A補助金(14次公募)交付申請 受付中5/22〜詳細は要確認 
大規模成長投資補助金(6次公募)募集中 (本日締切)7/31 〜8/31補助上限50億円、投資額20億円以上・賃上げ率5.0%以上等★更新 (熊本地震配慮追記)
中小企業省力化投資補助金(一般型・第8回)募集中 (要領公開)8/18〜 (申請受付9月中旬予定)業務プロセス自動化・ロボット導入等の省力化投資 
中小企業成長加速化補助金(3次公募)募集開始 (要領公開)受付9/29 〜10/29売上高100億円超を目指す投資、補助上限最大5億円 

厚生労働省の雇用関係助成金について:業務改善助成金(令和8年度)は、交付申請の受付開始日が「令和8年9月1日」であることを厚生労働省公式ページで確認できたため、下表に追加で掲載しています。キャリアアップ助成金・働き方改革推進支援助成金は今回変化がなかったため一覧表には含めていません。

制度名状況募集期間概要・対象
業務改善助成金(令和8年度)募集開始 (要領確定)交付申請受付 開始9/1事業場内最低賃金の引き上げ+設備投資等を支援。50円・70円・90円の3コース、最大600万円(要領記載)

■ 特にご案内が必要な制度(詳細)

 助成金 

1. 業務改善助成金(令和8年度):交付申請受付開始日が9月1日と確定

対象: 業務改善助成金(厚生労働省)

厚生労働省公式ページで、令和8年度業務改善助成金の交付申請受付開始日が「令和8年9月1日」であることが明記されていることを確認しました。これまで開始時期が民間情報のみで確定していませんでしたが、一次情報で確定情報が判明したものです。

事業場内最低賃金の引き上げと生産性向上に資する設備投資等をあわせて行う中小企業・小規模事業者を対象とし、50円・70円・90円の3コースに再編され、最大600万円の助成が予定されています。

実務上のポイント ・最低賃金引き上げ(10月発効予定)にあわせた設備投資を検討している顧問先には、9月1日の受付開始に向けた準備をご案内ください。 ・詳細な助成率・上限額は交付要綱の最終版でご確認ください。

出典・参照リンク

厚生労働省「業務改善助成金」 https://www.mhlw.go.jp/content/11200000/001693381.pdf

 補助金 

2. デジタル化・AI導入補助金2026:5次締切終了、スマートレジ優先採択の案内

対象: デジタル化・AI導入補助金2026(旧IT導入補助金)

5次締切分は8月25日17:00をもって終了しました。次回(6次締切分)は各枠とも2026年10月30日を予定しています。

また8月28日、インボイス枠(インボイス対応類型)において、スマートレジシステム導入に係る申請について3次締切分から優先採択を実施している旨の案内が公式サイトに掲載されました。

実務上のポイント ・スマートレジ導入を検討する小売・飲食業の顧問先には、インボイス枠での優先採択が有利である点をご案内ください。 ・6次締切(10/30予定)に向けて、早めの準備をお勧めします。

出典・参照リンク

デジタル化・AI導入補助金2026 事務局サイト https://it-shien.smrj.go.jp/

 補助金    締切:本日8/31(月) 17:00

3. 大規模成長投資補助金(6次公募):締切間近、熊本地震被災事業者への配慮を追記

対象: 中堅・中小・スタートアップ企業の賃上げに向けた省力化等の大規模成長投資補助金

6次公募の締切は本日8月31日(月)17:00です。8月28日、公募要領に令和8年熊本地震の被災事業者への配慮措置が追記されました。被災していない事業者への影響はないとされています。

対象は投資額20億円以上・3年平均賃上げ率5.0%以上等の要件を満たす大規模投資で、補助上限は50億円(補助率1/3以下)です。

実務上のポイント ・本日締切のため、申請を検討している顧問先がいる場合は至急ご確認ください。 ・熊本県内の被災事業者は、更新後の公募要領・個別相談窓口をご確認ください。

出典・参照リンク

大規模成長投資補助金 事務局サイト https://chukentou-seichotoushi-hojo.jp/

このほか、新事業進出・ものづくり商業サービス補助金(第1回)では応募申請ガイドPDFが公開されました(8/24、スケジュールに変更なし)。また中小企業省力化投資補助金は、台帳掲載中の第8回とは別の第6回公募の採択結果が公開されています(8/28)。いずれも軽微な情報のため詳細カードは省略しています。

第3章 経済トピックス

訪問・お電話の際の話題づくりにご活用いただける経済ニュースを、1週間分まとめてご紹介します。

 経済ニュース 

1. 日経平均、AI・半導体関連けん引で反発・6万6405円

8月28日の東京株式市場で日経平均株価は前日比273円58銭高の66,405円56銭で取引を終えました。米国株高を受けAI・半導体関連銘柄に買いが入りましたが、利益確定売りで上値は重い展開でした。

出典・参照リンク

日本経済新聞 https://www.nikkei.com/article/DGXZQOFL280H00Y6A820C2000000/

 経済ニュース 

2. 長期金利が約30年ぶりの高水準に

日本の長期金利(新発10年物国債利回り)が約30年ぶりの高水準まで上昇しています。米欧でも金利上昇傾向が続いており、インフレ加速懸念や国債売りが背景にあるとされ、今後の企業の借入コストへの影響が注目されています。

出典・参照リンク

NHKニュース https://news.web.nhk/newsweb/na/nd-20260827de46663

 経済ニュース 

3. 円相場、日米協調介入後も160円台で不安定な動き

7月末に1ドル=164円台まで進んだ円安を受け、日米は15年ぶりとなる協調為替介入に踏み切りました。しかし効果は限定的で、8月28日から29日にかけて円相場は159円台から160円台へ戻すなど不安定な値動きが続いています。

出典・参照リンク

日本経済新聞 https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUB032VG0T00C26A8000000/

 経済ニュース 

4. 最低賃金、10月から全国平均1,176円へ 岐阜県は1,121円

2026年度の地域別最低賃金改定で、8月30日時点で43都道府県が答申を終えました。全国加重平均は+55円の1,176円となる見通しで、岐阜県は+56円の1,121円、東京都は+54円の1,280円(全国最高)と、いずれも10月1日発効予定です。

出典・参照リンク

都道府県別最低賃金一覧まとめ https://taxlabor.com/minimum-wage-japan/

 経済ニュース 

5. 中小企業省力化投資補助金、第6回公募の採択結果を発表

中小企業庁の中小企業省力化投資補助金(一般型)第6回公募の採択決定事業者一覧が8月28日に公表されました。人手不足に悩む中小企業のIT・自動化投資を支援する制度で、現在は第8回の公募が進行中です。

出典・参照リンク

中小企業省力化投資補助金事務局 https://shoryokuka.smrj.go.jp/assets/pdf/grant_adoption_ippan_06.pdf

 経済ニュース 

6. 岐阜県、次世代型路面電車(LRT)構想の中間報告

岐阜県の「新たな交通システム検討会」が8月24日、中間報告を公表し、岐阜駅から長良地区、岐阜大学方面など基幹4路線の候補を提示しました。うち2路線でLRT導入を含めた検討を進めるとしています。

出典・参照リンク

中部経済新聞 https://www.chukei-news.co.jp/news/2026/08/26/OK0002608260301_05/

 経済ニュース 

7. 愛知県内で建設・介護・運送など幅広い業種の倒産が相次ぐ

2026年8月の愛知県では建設・アパレル・太陽光・介護・運送・自動車整備など幅広い業種で企業倒産が確認され、判明分だけで負債総額は少なくとも約12.7億円に上りました。資材・人件費・燃料費の高騰や価格転嫁の遅れ、人手不足が背景にあるとみられます。

出典・参照リンク

JC-NET(地域経済リサーチ) https://n-seikei.jp/2026/08/20268.html

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