労務・補助金ニュースレター(週刊)

第1章 法令改正・審議会動向

対象期間中に公表された法令・通達・行政資料と、今後の制度変更につながりうる審議会等の動向をまとめています。

 法令改正 

1. 令和8年度の地域別最低賃金、全47都道府県で答申出そろう(全国平均1,177円)

対象: 最低賃金法(地域別最低賃金)/2026年9月3日 厚生労働省公表

厚生労働省は9月3日、全都道府県の地方最低賃金審議会から令和8年度の地域別最低賃金の改定額が答申されたと発表しました。答申段階の全国加重平均額は1,177円で、昨年度(1,121円)から56円の引上げとなります。この56円という引上げ幅は、昭和53年度に目安制度が始まって以降で2番目に高い水準です。

引上げ額は都道府県により54円から65円まで分布しており、最高額1,280円に対する最低額1,085円の比率は84.8%(前年83.4%)と、12年連続で地域間格差が縮小しました。東海3県は岐阜県1,121円、愛知県1,195円、三重県1,143円で、いずれも発効日は令和8年10月1日です。

答申額は都道府県労働局での関係労使からの異議申出手続を経たうえで、都道府県労働局長の決定により、令和8年10月1日から12月2日までの間に順次発効します。発効日は都道府県ごとに異なりますので、事業場ごとの確認が必要です。

実務上のポイント ・確認すべきは「本社所在地」ではなく「事業場ごとの所在地」です。複数県に事業場がある場合は県別に管理してください。 ・時給者だけでなく、月給者についても時間単価換算(月額÷1か月平均所定労働時間)で最低賃金を下回らないかご確認ください。精皆勤手当・通勤手当・家族手当・時間外割増賃金は最低賃金の算入対象外です。 ・賃金テーブル・雇用契約書・労働条件通知書の改定は9月中に完了させることをお勧めします。 ・引上げ原資の対策として、後述の業務改善助成金の活用をご検討ください(東海3県は9月30日が期限)。

出典・参照リンク

厚生労働省「全ての都道府県で地域別最低賃金の改定額が答申されました」 https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_75950.html

別紙(都道府県別一覧・発効日) https://www.mhlw.go.jp/content/11302000/001745621.pdf

 法令改正 

2. 中小企業庁、最低賃金引上げに対応する中小企業・小規模事業者への支援策を公表

対象: 中小受託取引適正化法(取適法)・各種補助金・中小企業向け賃上げ促進税制/2026年9月4日 中小企業庁公表

最低賃金の全国加重平均が1,177円と決まったことを受け、中小企業庁は9月4日、中小企業・小規模事業者向けの包括的な支援策を公表しました。柱は「価格転嫁・取引適正化」「予算・税制支援」「省力化投資」「プッシュ型の伴走支援」の4つです。

価格転嫁の面では、本年1月に施行された取適法(中小受託取引適正化法)・振興法を着実に執行し、官公需や取適法の対象外となる民間取引も含めて価格転嫁を強化するとしています。予算・税制面では、販路開拓等を支援する持続化補助金、赤字企業でも繰越控除が使える中小企業向け賃上げ促進税制、生産性革命事業などを進めるほか、各種補助金について賃上げを行う事業者への補助上限の引上げや審査での加点措置を引き続き実施します。

さらに省力化投資補助金・デジタル化・AI導入補助金による「省力化投資促進プラン」を推進し、自治体・商工会・商工会議所と連携したプッシュ型アプローチにより、今年度末までに100万件の伴走支援・相談対応を目指すとしています。なお、9月は「価格交渉促進月間」にあたります。

実務上のポイント ・補助金の申請時は「賃上げ加点」「補助上限引上げ特例」の要件をご確認ください。10月の最賃改定と申請スケジュールを合わせると有利になる場合があります。 ・価格転嫁交渉は取適法(旧・下請法)の枠組みが強化されています。発注側・受注側いずれの立場でも、協議記録の書面化を徹底してください。 ・賃上げ促進税制は赤字企業でも繰越控除が可能です。決算前に顧問税理士と適用可否をご確認ください。 ・9月の価格交渉促進月間に合わせ、主要取引先との交渉記録を残しておくことをお勧めします。

出典・参照リンク

中小企業庁(ミラサポplus)「最低賃金引上げに対応する中小企業・小規模事業者への支援策を公表します」 https://mirasapo-plus.go.jp/infomation/33677/

賃上げ・最低賃金対応支援 特設サイト https://mirasapo-plus.go.jp/chinage/

 法令改正 

3. 国税庁「令和8年分 年末調整のしかた」公表 基礎控除引上げなど改正点に注意

対象: 所得税法(年末調整・源泉徴収)/2026年8月31日 国税庁公表

国税庁は8月31日、「令和8年分 年末調整のしかた」を公表しました。令和8年度税制改正を反映した内容で、主な改正点として、基礎控除の引上げ、給与所得控除の最低保障額の引上げ、扶養親族等の所得要件の改正、年齢23歳未満の扶養親族を有する場合の生命保険料控除の特例が解説されています。

年末調整の実務は10月頃から各種申告書の配付が始まります。今年は控除額そのものと扶養親族の所得要件が変わるため、従業員への案内文や社内の記入例、給与計算ソフトの設定を改正内容に合わせて更新する必要があります。特に、配偶者やお子様のパート収入が扶養の範囲内かどうかの判定基準が変わる点は、従業員からの問い合わせが集中しやすい論点です。

実務上のポイント ・給与計算システムの令和8年分対応バージョンへの更新時期を、9月中にベンダーへご確認ください。 ・扶養親族等の所得要件改正により、昨年まで扶養外だった親族が扶養に入るケースがあります。従業員への周知は早めに行ってください。 ・23歳未満の扶養親族がいる場合の生命保険料控除の特例は新設項目です。申告書の記載漏れにご注意ください。

出典・参照リンク

国税庁「令和8年分 年末調整のしかた」 https://www.nta.go.jp/publication/pamph/gensen/nencho2026/01.htm

国税庁「令和8年版 源泉徴収のしかた」 https://www.nta.go.jp/publication/pamph/gensen/shikata_r08/01.htm

 法令改正 

4. 無許可の労働者派遣・建設業務派遣で刑事告発(山口労働局)

対象: 労働者派遣法第4条第1項第2号・第5条第1項、職業安定法第44条/2026年9月3日 厚生労働省公表

山口労働局は、令和8年6月15日付で建設会社等を労働者派遣法および職業安定法違反の疑いで岩国警察署に刑事告発していたことを、9月3日に公表しました(捜査への影響を考慮して公表を差し控えていたものです)。

事案の概要は、被告発人である株式会社と同社代表取締役が、令和6年3月から10月にかけて厚生労働大臣の許可を受けずに労働者を他社へ繰り返し派遣し、労働者派遣法で禁止されている建設業務に従事させたというものです。さらに、他の事業主が雇用する労働者を供給し、指揮命令下で建設業務に従事させた労働者供給事業についても職業安定法第44条違反の疑いが持たれています。

適用条文は労働者派遣法第59条(1年以下の拘禁刑または100万円以下の罰金)、職業安定法第64条第10号のほか、法人にも罰金刑を科す両罰規定です。建設業では「応援」「手伝い」といった名目での人材のやり取りが慣行として残っている場合があり、注意が必要です。

実務上のポイント ・建設業務への労働者派遣は、許可の有無を問わず全面禁止です(労働者派遣法4条1項2号)。 ・「一人親方への外注」「常用での応援」が実質的に派遣・労働者供給と評価されるリスクを再点検してください。請負と派遣の区分基準(いわゆる37号告示)に沿った運用が必要です。 ・違反は代表者個人だけでなく法人にも罰金が科される両罰規定の対象です。 ・建設業のお客様は、応援体制・重層下請構造の契約形態を書面でご確認ください。

出典・参照リンク

厚生労働省「労働者派遣法及び職業安定法違反に係る告発について」 https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_75804.html

 法令改正 

5. 「令和7年外国人雇用実態調査」公表 外国人労働者は約204万人、賃金は前年比6.4%増

対象: 外国人雇用(技能実習・特定技能等)、労働施策総合推進法(外国人雇用状況届出)/2026年8月31日 厚生労働省公表

厚生労働省は8月31日、令和7年外国人雇用実態調査の結果を公表しました。雇用保険被保険者5人以上の事業所ベースで、外国人労働者数は約204万人(前年約182万人)に増加。在留資格別では「専門的・技術的分野」42.1%(前年38.9%)、「身分に基づくもの」24.0%、「技能実習」21.7%となっています。

一般労働者の月間きまって支給する現金給与額は292.4千円(前年比6.4%増)。在留資格別では専門的・技術的分野306.5千円、うち特定技能254.1千円、技能実習213.5千円、身分に基づくもの347.2千円でした。技能実習は所定内165.2時間・超過21.4時間と、労働時間が最も長い区分となっています。

外国人を雇用する理由は「労働力不足の解消・緩和のため」が68.2%で最多。一方、雇用上の課題は「日本語能力等のためにコミュニケーションが取りにくい」46.2%、「在留資格申請等の事務負担が面倒・煩雑」24.8%、「文化・価値観・生活習慣の違いによるトラブル」22.4%の順でした。

実務上のポイント ・技能実習・特定技能の賃金水準が全体平均を下回る一方、超過労働時間は長くなっています。同等報酬要件・36協定の適合性を再点検してください。 ・「在留資格申請の事務負担」が課題の第2位となっています。当事務所で手続きの代行が可能ですのでご相談ください。 ・送出し機関の費用に関するトラブルが労働者側の相談で最多となっています。受入れ時の費用負担の説明は書面で残してください。 ・転職希望は6.1%にとどまり81.2%が継続希望という結果です。日本語学習支援・相談窓口など定着支援の投資対効果は高いといえます。

出典・参照リンク

厚生労働省「令和7年外国人雇用実態調査」の結果を公表します https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_75722.html

調査結果の概況(PDF) https://www.mhlw.go.jp/content/11655000/001742822.pdf

 法令改正 

6. 令和7年雇用動向調査 入職率14.7%・離職率13.7%、入職超過が拡大

対象: 雇用動向調査(基幹統計)/2026年8月31日 厚生労働省公表

厚生労働省は8月31日、令和7年(2025年)雇用動向調査の結果を公表しました。年間の入職者数は752.7万人、離職者数は705.3万人で、入職が離職を47.4万人上回りました。入職率は14.7%(前年比0.1ポイント低下)、離職率は13.7%(同0.5ポイント低下)で、入職超過率は1.0ポイントと前年から0.4ポイント拡大しています。

就業形態別では、一般労働者が入職率12.0%・離職率11.4%、パートタイム労働者が入職率21.7%・離職率19.9%でした。パートの入職率・離職率はいずれも前年から1ポイント以上低下し、パート人材の流動性がやや落ち着いた形です。職歴別では転職入職率が9.9%と0.2ポイント上昇した一方、未就業入職率は4.8%と0.2ポイント低下しました。

実務上のポイント ・離職率が全体で低下するなか、自社の離職率が業界平均を上回っていないか比較する材料としてご活用ください。 ・転職入職率が上昇しており、中途採用市場は引き続き活発です。採用競合を意識した処遇設計が必要です。 ・パートの入職率は21.7%と依然高水準です。10月の最賃改定・社会保険適用拡大と合わせた定着策のご検討をお勧めします。

出典・参照リンク

厚生労働省「令和7年 雇用動向調査結果の概況」 https://www.mhlw.go.jp/toukei/itiran/roudou/koyou/doukou/26-2/index.html

 法令改正 

7. 厚生労働省、令和9年度税制改正要望を公表 中退共・財形の見直し、交際費特例の延長など

対象: 所得税法・法人税法・中小企業退職金共済法・勤労者財産形成促進法ほか/2026年8月31日 厚生労働省公表

厚生労働省は8月31日、令和9年度の税制改正要望を公表しました。雇用・労務分野では、中小企業に関係する項目が3点あります。

第一に、中小企業退職金共済制度(中退共)および勤労者財産形成促進制度(財形)の見直しに伴う税制上の所要の措置(新規要望)です。制度のあり方を労働政策審議会で検討し、その結果を踏まえて所得税・法人税・相続税等の措置を講じるとしています。中退共・財形は中小企業の退職金制度の中核であり、制度そのものの見直し議論が本格化する可能性があります。第二に、家事支援サービスやベビーシッター等の利用費用に係る税制上の措置(新規要望)。育児・介護による離職やキャリアへの影響を防ぐ狙いです。

第三に、交際費課税の特例措置の延長等(拡充・延長要望)です。物価高騰を踏まえ、損金算入可能な飲食費の1人あたり10,000円以下という金額基準と、飲食費50%損金算入・交際費800万円まで全額損金算入の特例について、要件見直しのうえ適用期限の延長を求めています。

実務上のポイント ・あくまで「要望」段階であり、確定情報ではありません。年末の与党税制改正大綱(12月頃)で結論が出る見込みです。 ・中退共・財形の見直しは労働政策審議会での検討が前提です。今後の勤労者生活分科会等の議論を継続してウォッチいたします。 ・交際費の1人1万円基準は引上げ要望が入っています。改正されれば会議費・交際費の区分実務に影響します。

出典・参照リンク

厚生労働省「令和9年度厚生労働省税制改正要望について」 https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_75877.html

主な税制改正要望(PDF) https://www.mhlw.go.jp/content/12602000/001743913.pdf

 法令改正 

8. 厚労省・国交省、建設業の人材確保・育成に向けた令和9年度概算要求を公表

対象: 建設事業主等に対する助成金(人材開発支援助成金等)、建設労働者雇用改善法/2026年9月4日 厚生労働省・国土交通省公表

厚生労働省と国土交通省は9月4日、建設業の人材確保・育成に関する令和9年度予算概算要求の概要を共同で公表しました。建設技能者のうち60歳以上が約4分の1を占める一方、29歳以下は全体の約12%にとどまっており、担い手確保が急務との認識が示されています。

要求は「人材確保」「人材育成」「魅力ある職場づくり」の3本柱です。人材確保では建設事業主等に対する助成金による支援に73億円、建設業と求職者をつなぐ事業に33百万円などを計上。人材育成では中小建設事業主等への支援に4.9億円。魅力ある職場づくりでは雇用管理責任者等に対する研修の実施に1.1億円を計上し、技能者の処遇改善・働き方改革・生産性向上を一体で進めるとしています。

実務上のポイント ・建設事業主等に対する助成金(人材開発支援助成金「建設労働者技能実習コース」等)は令和9年度も主要施策です。年度替わりの要件変更にご注意ください。 ・雇用管理責任者の選任・研修は建設労働者雇用改善法上の義務です。研修予算が拡充されており、受講機会が増える見込みです。 ・若年者・女性の入職促進が重点となっています。求人・処遇設計のご相談を承ります。

出典・参照リンク

厚生労働省「建設業の人材確保・育成に向けた取組を進めていきます」 https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_75797.html

 審議会動向 

9. 第91回 労働政策審議会 雇用環境・均等分科会 仕事と育児の両立支援を議論

対象: 育児・介護休業法、次世代育成支援対策推進法、女性活躍推進法ほか/2026年9月1日(火)開催

労働政策審議会雇用環境・均等分科会の第91回会合が9月1日に開催されました。議題は、①令和9年度予算概算要求について(雇用環境・均等局関係)、②2025年度の年度評価および2026年度の目標設定について、③仕事と育児の両立支援について、の3点です。

特に③については、両立支援策の現状と課題を整理した詳細な資料が提出されています。育児・介護休業法は2025年4月・10月の段階施行により、子の年齢に応じた柔軟な働き方の措置義務、仕事と育児の両立に関する個別意向聴取・配慮義務などが導入済みです。今回の分科会は施行状況の点検と次の政策論点の洗い出しにあたる位置づけと考えられ、今後の法改正議論の起点になり得ます。

また、参考資料として「令和8年策定の主な政府文書について(雇用環境・均等局関係)」「雇用環境・均等行政の主要指標の動向」が配付されており、政府方針と行政指標の両面から議論の前提が共有されています。まだ決定事項ではありませんが、次期改正の方向性を占ううえで重要な会合です。

実務上のポイント ・育児・介護休業法の既施行事項(個別周知・意向確認、柔軟な働き方の措置)について、就業規則と運用実態の両面で点検をお勧めする時期です。 ・分科会の年度目標設定は、労働局の行政指導の重点分野の予告に近い性格があります。 ・令和9年度概算要求には両立支援等助成金の方向性が含まれます。次年度の助成金活用計画に反映できます。

出典・参照リンク

厚生労働省「第91回労働政策審議会雇用環境・均等分科会」 https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_75855.html

資料3「仕事と育児の両立支援について」 https://www.mhlw.go.jp/content/11901000/001744314.pdf

 審議会動向 

10. 第214回 社会保障審議会 医療保険部会 OTC類似薬の保険給付見直しを審議

対象: 健康保険法(保険給付範囲)/2026年9月3日(木)開催

社会保障審議会医療保険部会の第214回会合が9月3日に開催されました。議題は、①OTC類似薬の保険給付の見直しの実施に関するヒアリング、②OTC類似薬の保険給付の見直しの実施について、③妊娠・出産・産後における診療やケアの内容等に関する検討会の立ち上げについて(報告)、④令和9年度予算概算要求(保険局関係)について(報告)です。

OTC類似薬(薬局で市販薬として購入できる成分と類似する医療用医薬品)の保険給付見直しは、患者の自己負担増につながるテーマであり、ヒアリングでは患者団体等からの意見聴取が行われました。健康保険の給付範囲そのものの見直しであり、実現すれば協会けんぽ・健保組合の加入者である従業員の医療費負担に直接影響します。

実務上のポイント ・OTC類似薬の保険給付見直しは、従業員の自己負担増につながるテーマです。制度変更が決まれば社内周知が必要になります。 ・給付範囲の縮小は、中長期的には保険料率の抑制要因となります。協会けんぽ料率の議論と併せてウォッチしてまいります。 ・妊娠・出産・産後のケアに関する新たな検討会が立ち上がります。出産育児一時金や産休関連実務への波及可能性があります。 ・現時点では審議段階であり、施行時期・内容は未確定です。

出典・参照リンク

厚生労働省「第214回社会保障審議会医療保険部会 資料」 https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_75969.html

 審議会動向 

11. 第32回 キャリアコンサルタント登録制度等に関する検討会 能力要件の改定案を審議

対象: 職業能力開発促進法(キャリアコンサルタント登録制度)/2026年9月4日(金)開催

厚生労働省は9月4日、第32回キャリアコンサルタント登録制度等に関する検討会を開催しました。議題は「キャリアコンサルタント登録制度のあり方に係る専門的事項の検討について」です。

配付資料は、資料1「前回の検討会でいただいた主な御意見」、資料2「キャリアコンサルティング実施のために必要な能力要件(改定案)」、資料3「養成講習 認定審査基準(素案)」で、キャリアコンサルタントの能力要件そのものと、養成講習の認定基準の見直しが具体的な案文段階に入っていることがわかります。

キャリアコンサルティングは、職業能力開発促進法に基づき事業主にその機会確保が努力義務化されているほか、人材開発支援助成金の一部コースやセルフ・キャリアドックの要件にも関わります。能力要件・養成講習基準の見直しは、有資格者の質と供給に中期的に影響します。

実務上のポイント ・セルフ・キャリアドックを導入されている場合、外部委託先のキャリアコンサルタントの資質確認の観点で動向を注視してください。 ・人材開発支援助成金のキャリアコンサルティング関連要件が変更される可能性があります。 ・改定案・素案の段階であり、確定した内容ではありません。

出典・参照リンク

厚生労働省「第32回キャリアコンサルタント登録制度等に関する検討会 会議資料」 https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_75979.html

 審議会動向 

12. 労災保険部会・障害者就労横断検討会の開催が決定(9月8日・9月7日)

対象: 労働者災害補償保険法、障害者雇用促進法/2026年9月4日 開催案内公表

厚生労働省は9月4日、第131回労働政策審議会労働条件分科会労災保険部会を9月8日(火)に開催することを告知しました。労災保険部会は、労災保険率の設定、特別加入制度の対象範囲、給付内容の見直しなど、事業主の保険料負担と労働者の補償内容に直結する事項を審議する場です。

同じ週には9月7日(月)に第6回障害者就労に係る雇用福祉横断検討会も予定されており、障害者雇用と福祉的就労の連携のあり方が議論されます。いずれも対象期間中に開催案内が公表されたもので、実際の議題・資料は開催後に厚生労働省サイトで公開されます。次号でフォローいたします。

実務上のポイント ・労災保険率は原則3年ごとの改定です(直近は令和6年度改定)。部会の議題により、次期改定の議論開始時期を把握できます。 ・特別加入制度の対象拡大が議題に上がる場合、フリーランス・一人親方を活用されている場合に影響します。 ・障害者雇用横断検討会は、法定雇用率と就労継続支援(A型・B型)の関係整理につながる可能性があります。

出典・参照リンク

厚生労働省「審議会・研究会等開催予定」 https://www.mhlw.go.jp/topics/event/open_doors.html

障害者就労に係る雇用福祉横断検討会 https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_75814.html

 実務確認 

13. 【再周知】10月1日施行が迫る2つの実務対応(カスハラ防止措置義務化・保険料調整制度)

対象: 改正労働施策総合推進法(カスタマーハラスメント防止措置義務化)、年金制度改正法(保険料調整制度)

対象期間内の新規公表ではありませんが、いずれも令和8年10月1日施行で対応が迫っているため、あらためてご案内いたします。

第一に、カスタマーハラスメント防止のための雇用管理上の措置義務化です。改正労働施策総合推進法および指針(令和8年厚生労働省告示第51号)に基づくもので、中小企業向けの経過措置はなく、労働者を1人でも雇用する全事業主が10月1日から対応必須となります。就業規則・ハラスメント防止規程への「顧客等からの著しい迷惑行為」の追加、相談窓口の設置・周知、対応マニュアルの整備が必要です。あわせて、求職者等に対するセクシュアルハラスメント対策も義務化されます。

第二に、短時間労働者の社会保険料負担を軽減する「保険料調整制度」が10月1日に開始されます。日本年金機構が特設ページを開設しています。給与計算実務・従業員への説明の両面で準備が必要です。

実務上のポイント ・カスハラ対応は「規程の整備」「相談窓口の設置・周知」「対応マニュアル」の3点セットが基本です。就業規則の改定案をご用意できますのでお申し付けください。 ・求職者に対するセクハラ対策も同時に義務化されます。採用面接の実施体制(複数名対応など)もご確認ください。 ・保険料調整制度は給与計算ソフトの対応状況をベンダーへご確認ください。

出典・参照リンク

厚生労働省「職場におけるハラスメントの防止のために」 https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/koyoukintou/seisaku06/index.html

日本年金機構「保険料調整制度」特設ページ https://www.nenkin.go.jp/tokusetsu/hokenryochosei.html

第2章 助成金・補助金 新着情報

経済産業省・中小企業庁系の「補助金」は現況の定点観測として毎回全件を一覧掲載しています。詳細のご案内は、前回号から動きがあった制度のみを取り上げています。

■ 補助金 制度別ステータス一覧(毎回全件掲載)

制度名状況募集期間・締切概要・備考
ものづくり補助金 (23次締切分)終了2026/2/6〜5/8 採択発表8/7★更新 採択448件/申請1,275件(採択率35.1%)。24次公募の予定はなく、後継の「新事業進出・ものづくり商業サービス補助金」へ統合
新事業進出・ものづくり 商業サービス補助金(第1回)開始前応募申請 2026/9/30〜10/30 18:00厳守革新的新製品・サービス枠 上限2,500万円(賃上げ特例3,500万円)/新事業進出枠・グローバル枠 上限7,000万円(同9,000万円)
デジタル化・AI導入補助金2026 (旧IT導入補助金)募集中5次締切 2026/9/29 17:00 6次締切 10/30★更新 通常枠/インボイス枠/セキュリティ対策推進枠/複数者連携枠。9/2に3次締切分の交付決定を公表(採択率43.99%)
小規模事業者持続化補助金 (一般型・通常枠・第20回)開始前2026/11/5〜12/15事業支援計画書の発行締切2026/12/4。公募要領第8版(7/21公開)
小規模事業者持続化補助金 (創業型・第4回)開始前2026/11/5〜12/15公募要領公開済み
小規模事業者持続化補助金 (共同・協業型・第3回)募集中2026/8/14〜9/30 17:00地域振興等機関を通じた複数小規模事業者の販路開拓等支援
小規模事業者持続化補助金 (災害支援枠・第10次)募集中2026/7/27〜10/16★更新 令和6年能登半島地震等対象。本枠は第10次公募をもって終了予定
事業再構築補助金終了2025/3/26 第13回で受付終了現在は交付決定済み事業者向け手続きのみ
事業承継・M&A補助金 (16次公募)開始前公募申請 2026/10/2〜11/6 17:00★新規 9/4に公募要領公開。説明会申込9/9〜10/7、説明会10/9。採択発表は12月下旬以降
事業承継・M&A補助金 (15次公募)採択待ち申請受付 2026/7/24終了採択は9月中旬以降順次、交付申請は9月中旬〜2027/7下旬の予定
事業承継・M&A補助金 (14次公募)交付申請中交付申請 〜2027/2/5 17:00★更新 9/4に「14次公募 状況報告書フォーム」を公開
大規模成長投資補助金 (6次公募)受付終了2026/7/31〜 8/31 17:00で締切★更新 予定どおり8/31に締切。補助上限50億円(補助率1/3以下)。次回公募の告知は未確認
中小企業省力化投資補助金 (一般型・第8回公募)公募中 (受付前)公募要領8/18公開 申請受付「9月中旬予定」 締切「10月中旬予定」 ※いずれも未確定★更新 9/7時点でも受付開始日は未確定のまま。補助上限最大1億円(カタログ注文型は最大1,500万円)。第6回の採択率は63.9%
中小企業成長加速化補助金 (3次公募)開始前2026/9/29〜 10/29 15:00売上高100億円超を目指す中小企業の大胆な投資を支援。補助上限最大5億円
SDS電子化補助金 (令和8年度)募集中2026/7/1〜11/30★新規 化学物質を扱う中小企業向け。標準フォーマット形式のSDS入出力システム導入費を補助。補助率1/2・上限100万円

※「★更新」「★新規」は前回号(2026年8月31日発行)から変化があった制度です。厚生労働省の雇用関係助成金については、今週は「業務改善助成金(令和8年度)」の交付申請受付が9月1日に開始されるという重要な変化がありましたので、下記の詳細でご案内しています。キャリアアップ助成金・働き方改革推進支援助成金は今回変化がなかったため、上記一覧表には含めていません。

■ 特にご案内が必要な制度(詳細)

 助成金・締切間近    申請期限:2026年9月30日(岐阜・愛知・三重の事業場)

1. 業務改善助成金が9月1日スタート 東海3県の締切は事実上9月30日です

対象: 業務改善助成金(令和8年度)/厚生労働省

厚生労働省は2026年9月1日、令和8年度の業務改善助成金の交付申請受付を開始しました。事業場内でいちばん低い時給を50円以上引き上げ、あわせて生産性向上につながる設備投資などを行った中小企業に、その費用の一部(最大600万円)を助成する制度です。

今年度でとくに注意が必要なのが締切です。申請期限は「事業場のある都道府県の地域別最低賃金の発効日の前日」か「11月30日」のいずれか早い日とされています。岐阜県(1,121円)・愛知県(1,195円)・三重県(1,143円)はいずれも発効日が10月1日ですので、申請期限は9月30日となります。賃金引上げも同じく9月30日までに実施する必要があり、実質3週間強しか残されていません。

助成率は、引上げ前の事業場内最低賃金が1,050円未満なら4/5、1,050円以上なら3/4です。50円・70円・90円の3コースがあり、90円コースで10人以上(特例事業者)を引き上げると上限600万円となります。なお令和7年度からは、自動車(特殊用途車を除く)が助成対象外になった点、引上げ対象労働者が雇用保険被保険者に限定された点が変わっています。

実務上のポイント ・岐阜・愛知・三重の事業場は9月30日が申請期限かつ賃金引上げ期限です。就業規則等への引上げ後金額の明記も同日までに必要です。 ・設備は必ず交付決定後に導入してください。交付決定前に発注・納品したものは対象外です。事業完了期限(納品・支払・賃上げの最も遅い日)は交付決定年度の1月31日です。 ・引上げ対象は週所定20時間以上の雇用保険被保険者かつ雇入れ後6か月経過者に限られます。複数回に分けた引上げは認められません。 ・令和8年度から都道府県ごとにJグランツの申請フォームが分かれています。フォーム選択のお間違いにご注意ください。同一事業場の申請は年度内1回までです。 ・予算枠に達すると予告なく受付終了となる可能性があります。ご検討中の場合は至急ご連絡ください。

出典・参照リンク

厚生労働省「業務改善助成金」 https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/roudoukijun/zigyonushi/shienjigyou/03.html

令和8年度地域別最低賃金 答申状況(発効日一覧) https://www.mhlw.go.jp/content/11200000/001745586.pdf

リーフレット(PDF) https://www.mhlw.go.jp/content/11200000/001693416.pdf

 補助金・受付予告    公募申請:2026年10月2日〜11月6日/説明会申込は9月9日開始

2. 事業承継・M&A補助金16次公募が公表 申請は10月2日から

対象: 事業承継・M&A補助金(16次公募)/中小企業庁

中小企業庁は2026年9月4日、事業承継・M&A補助金16次公募の公募要領を公開し、専用ウェブサイトを開設しました。公募申請の受付は2026年10月2日(金)から11月6日(金)17時までです。

枠は従来どおり「事業承継促進枠」「専門家活用枠」「廃業・再チャレンジ枠」「PMI推進枠」の4つです。同日に事業承継促進枠とPMI推進枠のチラシも公開されました。オンライン説明会は10月9日(金)14時開催で、申込受付は9月9日(水)から10月7日(水)17時までです。

採択発表は2026年12月下旬以降、交付申請は2027年1月上旬からの予定です。申請はJグランツ経由でGビズIDプライムが必須となります。事業承継やM&Aは検討から書類準備まで時間がかかりますので、後継者不在や譲渡をご検討中の場合は、早めのご相談をお勧めいたします。

実務上のポイント ・説明会の申込受付が9月9日に始まります。ご検討中の場合はまず説明会へのお申込みを。 ・GビズIDプライムの取得には時間がかかります。未取得の場合は直ちに手続きをお願いいたします。 ・申請書類の作成を第三者に依頼する場合、行政書士(または行政書士法人)に限られ、行政書士証憑・委任契約書の提出が必須です(13次以降のルール)。当事務所でご対応可能です。 ・15次公募の交付申請受付が9月中旬から始まる予定です。15次で採択待ちの場合はあわせてご確認ください。

出典・参照リンク

中小企業庁「事業承継・M&A補助金 16次公募」 https://www.chusho.meti.go.jp/koukai/hojyokin/kobo/2026/260904001.html

事業承継・M&A補助金 公式サイト https://shoukei-mahojokin.go.jp/r7h/

 補助金・締切注意    次回締切:2026年9月29日(火)17:00

3. デジタル化・AI導入補助金の次回締切は9月29日 3次締切分の採択率は44%

対象: デジタル化・AI導入補助金2026(旧IT導入補助金)/中小企業基盤整備機構

公式サイトの事業スケジュールを確認したところ、通常枠・インボイス枠(インボイス対応類型/電子取引類型)・セキュリティ対策推進枠の次回締切は「5次締切分」で2026年9月29日(火)17時、その次が6次締切の10月30日でした。複数者連携デジタル化・AI導入枠は3次締切が10月30日17時です。なお、前回号で「5次締切」とご案内した8月25日締切分は、正しくは4次締切分でした。お詫びして訂正いたします。

あわせて9月2日、3次締切分の交付決定結果が公表されました。申請5,913者に対し交付決定2,601者で、採択率は43.99%です。枠別では通常枠42.19%、インボイス枠(インボイス対応類型)44.73%、セキュリティ対策推進枠72.2%と差があります。半数以上が不採択という水準で、ITツールの選定と事業計画の作り込みが結果を分けています。

労務分野では、勤怠管理・給与計算・電子契約などのクラウドサービスの導入が対象になり得ます。導入にはIT導入支援事業者との連携、「SECURITY ACTION」自己宣言IDの登録、「省力化ナビ」の診断が必要で、準備に日数を要します。

実務上のポイント ・次回締切は9月29日17時です。支援事業者との調整を含め、着手は今週中が現実的なラインです。 ・交付申請にはSECURITY ACTION自己宣言IDの登録と省力化ナビの診断実施が前提となります。未対応の場合は先に処理してください。 ・採択率は4割台です。セキュリティ対策推進枠は申請数が少なく採択率が高い(72.2%)ため、枠選定の再検討余地があります。 ・9月12日(土)9:00〜14:30にシステムメンテナンスが予定されています。締切直前のアクセス集中とあわせ、余裕をもった申請をお願いいたします。

出典・参照リンク

デジタル化・AI導入補助金2026 事業スケジュール https://it-shien.smrj.go.jp/schedule/

デジタル化・AI導入補助金2026 公式サイト https://it-shien.smrj.go.jp/

 補助金 

4. 大規模成長投資補助金6次が締切/省力化投資補助金 第8回は受付開始日がなお未定

対象: 大規模成長投資補助金(6次公募)/中小企業省力化投資補助金(一般型・第8回公募)

中堅・中小・スタートアップ企業の大規模成長投資補助金の6次公募は、予定どおり2026年8月31日(月)17時で申請受付を終了しました。投資額20億円以上(100億宣言企業は15億円以上)・補助上限50億円という大型制度で、次回公募の告知は9月7日時点でありません。

一方、中小企業省力化投資補助金(一般型)第8回は、8月18日に公募要領が公開されたものの、申請ポータルでの受付開始日は9月7日時点でも「9月中旬予定」のまま確定していません。締切も「10月中旬予定」で、公式のスケジュールページには「詳細が確定次第更新いたします」と記載されたままです。補助上限は最大1億円(カタログ注文型は最大1,500万円)です。

なお8月28日に第6回の採択結果が公表され、申請1,841件に対し採択1,176件、採択率は約63.9%でした。採択件数は製造業・建設業が多く、都道府県別では大阪府・東京都に次いで愛知県が上位に入っています。補助額は1,500万〜1,750万円未満、従業員6〜10人の事業者が最多という分布でした。

実務上のポイント ・省力化補助金第8回は受付開始日が未確定です。当事務所で週次で公式サイトを確認しておりますので、告知後すぐ動けるよう事業計画を先行してご準備ください。 ・申請にはGビズIDプライムが必須です。取得に時間がかかりますので、未取得の場合は直ちに手続きをお願いいたします。 ・本事業に応募申請中・交付申請中の事業者、および交付決定を受けて補助金の支払が未完了の事業者は申請できません(第8回の重要注記)。 ・第6回の採択率63.9%は他制度より高水準です。人手不足対応の設備投資をご検討中でしたら、現実的な選択肢としてご検討ください。

出典・参照リンク

大規模成長投資補助金 公式サイト https://chukentou-seichotoushi-hojo.jp/

中小企業省力化投資補助金(一般型)スケジュール https://shoryokuka.smrj.go.jp/ippan/schedule/

第6回公募 採択結果 https://shoryokuka.smrj.go.jp/ippan/grant_adoption/

 補助金    新規に台帳へ登録した制度です

5. 【新規】SDS電子化補助金 化学物質の自律的管理への対応を支援

対象: SDS電子化補助金(令和8年度)/公益社団法人 全国労働衛生団体連合会

化学物質を取り扱う中小企業向けに、標準フォーマット形式のSDS(安全データシート)を入出力できるシステムの導入費を補助する制度です。補助率1/2、上限100万円で、申請受付は2026年7月1日から11月30日までとなっています。2026年8月27日には岐阜県商工会連合会が厚生労働省からの案内として周知しています。

労働安全衛生法の改正により、化学物質管理は個別規制方式から事業者による「自律的な管理」へと段階的に移行しています。リスクアセスメント対象物質は年々拡大しており、SDSの受領・保管・情報伝達を紙やPDFで行っている事業場では、管理負担の増大が課題となっています。製造業・建設業・クリーニング業など、化学物質を扱う顧問先には検討価値のある制度です。

実務上のポイント ・化学物質のリスクアセスメント実施義務・SDS交付義務の対応状況とあわせてご検討ください。 ・化学物質管理者の選任(令和6年4月から義務化)が済んでいるかも同時にご確認ください。 ・申請受付は11月30日までですが、予算枠に達し次第終了となる可能性があります。

出典・参照リンク

中央労働災害防止協会 SDS電子化補助金 https://www.jisha.or.jp/chusho/sds/

※このほか、対象期間中に「人材確保等支援助成金(外国人労働者就労環境整備助成コース)」の見直しに係る雇用保険法施行規則改正案のパブリックコメントが実施されていること、令和9年度厚生労働省予算概算要求(9月1日公表)の重点要求事項に「業務改善助成金等の『賃上げ』支援助成金パッケージ」が明記されたことを確認しています。また、ものづくり補助金は24次公募の実施予定がなく、後継の「新事業進出・ものづくり商業サービス補助金」へ統合されたことを確認しましたので、一覧表の備考を更新しました。

第3章 経済トピックス(顧問先との会話ネタ)

ご訪問・お電話の際の話題づくりにご活用いただける、対象期間中の経済ニュースをまとめました。

 経済ニュース    2026年9月2日報道(決定・公示は9月1日)

1. 岐阜県の最低賃金1,121円が正式決定、10月1日から適用

岐阜労働局は9月1日、県の最低賃金を現行の時給1,065円から1,121円に引き上げることを正式決定し、官報に公示しました。引き上げ額56円は、時給のみで算定するようになった2002年度以降で過去2番目、引き上げ率5.26%は過去3番目の高さです。適用は10月1日からとなります。

対象は県内の全事業場(約6万4,000)と全労働者(約77万6,000人)で、推計8万5,000人以上の賃金引き上げが必要になる見込みです。県内の経済団体からは「影響を見極める必要がある」と、経営への懸念の声も出ています。

出典・参照リンク

岐阜新聞デジタル https://www.gifu-np.co.jp/articles/-/763151

 経済ニュース    2026年9月3日報道

2. 8月の「人手不足倒産」32件で8月として過去最多、“賃上げ疲れ”が鮮明に

東京商工リサーチが9月3日に公表した集計によると、2026年8月の「人手不足」倒産は32件(前年同月比39.1%増)で、8月としては過去最多を更新しました。1〜8月の累計は333件(前年同期比38.7%増)で、年間最多ペースが続いています。

内訳では、1〜8月累計の「人件費高騰」が175件と前年同期比2.2倍、「従業員退職」が81件(同17.3%増)で、いずれも過去最多となりました。8月は建設業とサービス業他が各10件で最多、資本金1,000万円未満が22件(68.7%)を占めています。身の丈を超えた賃上げ負担と、退職による案件失注が中小・零細企業を追い込んでいる構図です。

出典・参照リンク

東京商工リサーチ TSRデータインサイト https://www.tsr-net.co.jp/data/detail/1203204_1527.html

 経済ニュース    2026年8月31日報道

3. 9月の食品値上げ4,923品目、今年最多の値上げラッシュ

帝国データバンクは8月31日、主要食品メーカー195社が9月に値上げする飲食料品が4,923品目に上ると発表しました。前年同月(1,467品目)の約3倍で、2026年の単月では最多です。単月4,000品目超は2025年4月以来1年5カ月ぶり、2023年以来3年ぶりの規模となります。1回あたりの平均値上げ率は11%でした。

分野別では、マヨネーズ・しょうゆ・つゆ・食酢などの「調味料」が1,959品目で最多、冷凍食品や練り製品などの「加工食品」が1,848品目と続きます。要因は中東情勢悪化に伴う原油・ナフサ高、包装資材費、人件費、物流費、円安です。10月も2,720品目の値上げが判明しています。

出典・参照リンク

時事通信 https://www.jiji.com/jc/article?k=2026083100191&g=eco

帝国データバンク https://www.tdb.co.jp/report/economic/pricepass-on202608/

 経済ニュース    2026年9月2日〜4日報道

4. 日銀の追加利上げ観測で円が急騰、株価は週間1,384円安

日銀の高田創審議委員は9月2日、札幌市での講演で「一定のペースにとらわれず、機動的に利上げを行う新たな局面」と発言しました。中東情勢による物価上振れリスクや、海外の利上げ転換に伴う円安圧力に触れ、連続利上げの可能性にも言及しています。これを受け9月3日の東京市場では円が急騰し、1日で約4円上昇して1カ月ぶりの1ドル=155円台をつけました。

株式市場は逆風で、日経平均は9月3日まで4日続落。9月4日は806円高の6万5,020円と5日ぶりに反発したものの、週間では1,384円(2%超)の下落となりました。9月17〜18日の日銀金融政策決定会合が次の焦点です。

出典・参照リンク

日本銀行(高田審議委員 講演) https://www.boj.or.jp/about/press/koen_2026/ko260902a.htm

日本経済新聞 https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUB031QP0T00C26A9000000/

 経済ニュース    2026年9月1日報道

5. 4〜6月期の企業利益は過去最高、それでも設備投資は伸び悩み

財務省が9月1日に公表した法人企業統計によると、2026年4〜6月期の全産業(金融・保険業除く)の経常利益は前年同期比24.6%増と、7四半期連続の増益となりました。季節調整値では37.7兆円と、4四半期連続で過去最高を更新しています。製造業が同57.0%増と牽引し、円安と価格転嫁の進展が効いた形です。

一方、設備投資(ソフトウェア含む)は前年同期比1.6%増にとどまり、季節調整値の前期比は1.5%増と2四半期ぶりのプラスでした。前期の落ち込みを取り戻せていません。人手不足による工事の遅れ、資材価格の高騰、中東情勢の不確実性が投資を抑えているとみられます。

出典・参照リンク

ニッセイ基礎研究所(法人企業統計 解説) https://www.nli-research.co.jp/report/detail/id=86678?site=nli

日本経済新聞 https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUA315960R30C26A8000000/

 経済ニュース    2026年9月5日報道

6. 岐阜県内の労働相談が高止まり、最多は「いじめ・嫌がらせ」

岐阜労働局がまとめた2025年度の「個別労働紛争解決制度」の施行状況によると、県内8カ所の総合労働相談コーナーが受け付けた総合労働相談は前年度からほぼ横ばいの1万9,094件でした。6年連続で1万9,000件を超え、高止まりが続いています。

民事上の個別労働紛争相談では「いじめ・嫌がらせ」が最多となりました。人手不足で採用が難しい局面が続くなか、職場の人間関係を起点としたトラブルが離職や紛争に直結しやすい状況がうかがえます。

出典・参照リンク

岐阜新聞デジタル https://www.gifu-np.co.jp/articles/-/764893

 経済ニュース    2026年8月31日公表

7. 中小企業庁、令和9年度概算要求を公表 賃上げ促進税制を抜本見直しへ

中小企業庁は8月31日、令和9年度の中小企業・小規模事業者関係の概算要求ポイントを公表しました。「賃上げ起点の成長戦略と地域産業クラスター形成」として、経済産業省関係で1兆3,841億円を要求しています。今後5年間を重点期間と位置づけ、中小企業向け賃上げ促進税制について「全雇用者の給与総額」や賃上げ水準の要件を抜本的に見直し・強化する方針を打ち出しました。

価格転嫁・取引適正化も柱で、中小企業取引対策事業は40億円(令和8年度当初は30億円)へ増額されます。取引Gメンの拡充、取適法(中小受託取引適正化法)の厳正な執行、官公需での実勢価格反映の徹底などを進めるとしています。なお9月は「価格交渉促進月間」にあたります。

出典・参照リンク

中小企業庁「令和9年度 中小企業・小規模事業者関係 概算要求等ポイント」 https://www.chusho.meti.go.jp/koukai/yosan/r9/gaisan_point.pdf

 経済ニュース    2026年8月31日報道

8. ハウス食品、「ココイチ」壱番屋の売却を検討

ハウス食品グループ本社が、カレーハウスCoCo壱番屋を運営する子会社・壱番屋の売却を検討していることが8月31日わかりました。事業ポートフォリオを見直し、成長領域に経営資源を集中させる狙いで、親子上場の解消に踏み込みます。壱番屋は株式の非公開化も検討しているとみられ、すでに複数の投資ファンドが名乗りを上げていると報じられています。

壱番屋は1978年創業、今年2月末時点で国内1,285店・海外218店を展開しています。2026年2月期の売上高は前期比7.4%増の655億円と過去最高を更新した一方、純利益は19.2%減の25億円でした。業績不振ではなく、資本効率を重視する経営への転換が背景にあります。

出典・参照リンク

岐阜新聞デジタル https://www.gifu-np.co.jp/articles/-/762335

日本経済新聞 https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUC268OL0W6A820C2000000/

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