厚生労働省が発表した「令和7年(2025年)の労働災害発生状況」のデータをもとに、最新の労災の傾向を分かりやすく解説します。職場での安全管理や、日々の業務の注意点を見直す参考にしてみてください。
1. 全体像:労災件数は減少傾向
令和7年の労働災害全体を見ると、死亡者数・死傷者数ともに前年(令和6年)から減少しました。長期的なグラフで見ても着実に減少しており、各業界の安全対策の効果が表れていると言えそうです。
| 区分 | 令和7年の人数 | 前年からの変化 |
| 死亡者数 | 700人 | マイナス46人(6.2%減少) |
| 死傷者数(休業4日以上) | 135,333人 | マイナス385人(0.3%減少) |
2. 業種別の特徴:身近なサービス・医療福祉で増加中
労災といえば「建設現場」や「工場」のイメージが強いかもしれませんが、近年は傾向が大きく変わってきています。いまや休業4日以上の労災のうち、多くが私たちの生活に身近な第三次産業で起きています。
| 傾向 | 主な業種 | 状況 |
| 減少(危険が伴う現場) | 製造業、建設業、陸上貨物運送事業 | 死亡者数・死傷者数ともに前年より減少しています。 |
| 増加(身近な職場) | 商業(スーパー等)、保健衛生業(病院・介護等) | 商業は23,128人(4.9%増)、保健衛生業は19,291人(2.2%増)と被災が増加しています。 |
3. どんな事故が多い? 一番の敵は「転倒」
具体的にどのような事故が起きているのでしょうか。実は、全体の4分の1以上が「転倒」によるものです。店舗内でのつまずきや、濡れた床での滑りなど、ちょっとした不注意が大きなケガにつながっています。
【ケガ(死傷災害)の原因トップ3】
- 転倒:37,195人(全体の約27.5%)
- 動作の反動・無理な動作(ぎっくり腰など):22,166人(全体の約16.4%)
- 墜落・転落:20,864人(全体の約15.4%)
腰痛などの「無理な動作」も上位に入っており、重いものを扱う作業や介護現場などでは特に注意が必要です。
なお、死亡災害に限定すると、一番多いのは「墜落・転落」(178人、25.4%)、次いで「交通事故(道路)」(126人、18.0%)となっています。
4. 年齢別の特徴:50代・60代のケガが多い
被災者の年齢を見てみると、50代以上のシニア層が非常に多くなっています。
死傷者135,333人のうち、50代が35,817人、60代が28,936人を占めています。高年齢労働者の増加とともに、加齢による身体機能の低下(つまずきやすさ、バランス感覚の低下など)が「転倒」などの要因になっていると考えられます。
まとめ
令和7年のデータから、労災の舞台は従来の「危険な現場」から、私たちが日々利用する店舗や施設などの「身近な職場」へとシフトしていることが分かります。
特に「転倒」や「腰痛」は誰にでも起こり得る事故です。途切れていた文章の続きとなりますが、職場内の整理整頓や、こまめな清掃による水濡れの防止、無理のない作業姿勢の意識づけなどを今一度見直してみましょう。整頓、濡れた床の拭き取り、段差の解消など、ちょっとした工夫で防げる事故も多いので、改めて職場の環境を見直してみましょう!


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