外国人材に「丁寧な日本語」は逆効果!? 現場のミスを防ぐ『やさしい日本語』の3つのルール

【導入】 経営者の皆様、現場責任者の皆様、いつもお世話になっております。 飛騨屋社労士・行政書士事務所の平下です。

人手不足が深刻化する中、建設業や製造業をはじめ、外国人労働者(特定技能や技能実習生など)を採用する企業様が急増しています。 そこでよく社長様からご相談を受けるのが、「何度教えても、指示通りに動いてくれない」「分かったふりをして、後で大きなミスになる」というお悩みです。

実はそれ、外国人スタッフの能力の問題ではなく、日本人側の「日本語の選び方」に原因があるかもしれません。 先日、出入国在留管理庁から『やさしい日本語研修教材』という資料が公開されました。今回はこの資料をもとに、外国人スタッフが劇的に働きやすくなる「やさしい日本語」のコツを、プロの視点で解説します。

ルール①:良かれと思った「敬語・謙譲語」は今すぐ捨てる!

日本人のビジネスマンは、相手に配慮して無意識に「丁寧な言葉」を使ってしまいます。しかし、外国人にとって日本の「尊敬語・謙譲語」は、まるで別の言語のように複雑で、最も理解が難しい部分です。

出入国在留管理庁の資料でも、「分かりやすさを優先するなら、尊敬語・謙譲語を使いたい気持ちをぐっと抑えてください」と明記されています。

  • ✖ NG: 「こちらの書類に記入して、提出してください」
  • 〇 OK:ここ書いて出してください」

「こちら・あちら」を「ここ・あそこ」に変える。これだけで、外国人スタッフの理解度は格段に跳ね上がります。丁寧な気持ちは、言葉ではなく「態度(笑顔や身振り)」で十分に伝わります。

ルール②:1つの文を「短く」切る

日本語は、「〜なので、〜して、〜してください」と、文を長く繋げてしまいがちです。情報が多すぎると、彼らの頭の中はパニックになってしまいます。

  • ✖ NG: 「機械の点検が終わったら、このレバーを引いて電源を入れてね」
  • 〇 OK: 「機械の点検を します。そのあと、レバーを 引きます。そして、電源を 入れます」

このように、1つの文で伝える情報は「1つ」だけにし、「そのあと」「そして」などの接続詞で区切って話すのが鉄則です。

ルール③:「英語なら伝わるだろう」の勘違い

「日本語が伝わらないなら、英語で指示すればいいや」と思うかもしれませんが、アジア圏から来日する労働者の多くは、英語よりも「基礎的な日本語」のほうが得意なケースがほとんどです。

現場の共通語は、不完全な英語ではなく「やさしい日本語」です。やさしい日本語は、外国人だけでなく、高齢のスタッフや、耳が聞こえにくい方にとっても、非常に分かりやすく安全なコミュニケーションツールになります。

結論:言葉の壁を取り払うことが、最大の「安全管理」です

建設現場や工場の現場において、「言葉が伝わっていないこと」は、即座に重大な労災事故に直結します。 「やさしい日本語」を使うことは、単なる優しさではなく、会社と従業員の命を守るための「安全管理・リスクマネジメント」なのです。

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