労働基準法の見直しは、40年ぶりの大きな改正といわれています。ただし、令和8年10月現在、改正法案は国会に提出されておらず、施行日も決まっていません。現在の状況と、いますぐ勤怠・シフトで準備できることを整理します。
現在の状況
- 2026年の通常国会への改正案の提出は、見送られました。2026年9月時点でも、労働基準法の改正案は提出されていません。
- 2025年1月21日に、労働基準関係法制研究会の報告書をもとに、労働政策審議会の労働条件分科会で、議論が始まりました。
- 令和8年7月21日の「経済財政運営と改革の基本方針2026(骨太の方針)」では、労働時間法制について「2026年夏以降の労働政策審議会で議論を行う」とされました。
- 9月16日に、第211回労働条件分科会が開かれ、議論が再開されました。今後は、月2〜3回程度の頻度で議論することが示されています。
議論されている主な論点
第211回分科会で示された論点案は、次のとおりです。
- 勤務間インターバル制度
- 連続勤務規制
- 「つながらない権利」
- 裁量労働制
- 変形労働時間制
- 副業・兼業
- テレワーク・フレックスタイム制
- 過半数代表者、法定休日、年次有給休暇 など
労働者側は、勤務間インターバル規制や連続勤務規制を求め、使用者側は、裁量労働制の拡大や、変形労働時間制の要件緩和などを求めています。労使の意見は、まだ分かれています。
研究会報告書が示した数字について
2025年1月8日に公表された研究会の報告書では、次のようなことが示されていました。
- 連続勤務は、14日以上を禁止する(上限13日)
- 勤務間インターバルは、原則、11時間
- 法定休日を、あらかじめ特定する
これらは、研究会の報告です。法改正として確定したものではありません。今後の議論で、変わる可能性があります。
今すぐは、勤怠・シフトの実態を把握する
法改正の内容が確定していない今は、方針を決めすぎず、自社の実態を把握することから始めましょう。
- 勤怠データを確認する。 退勤から次の出勤までの間隔が、短い日がどれくらいあるかを、見ておきます。
- 連続勤務の日数を確認する。 休日なしで、何日連続で働いている人がいるかを、確認します。
- 法定休日を確認する。 就業規則で、法定休日がどのように定められているかを、見直します。
- 労働時間の把握方法を確認する。 タイムカードや勤怠システムで、実際の労働時間を正確に把握できているかを確認します。
- 副業・兼業の状況を確認する。 副業・兼業の届出の仕組みがあるかを、確認します。
- シフトの作り方を確認する。 長時間勤務や、連続勤務になりやすいシフトがないかを、見直します。
ここから決めておきたいこと
- 最新の情報を確認する担当者と、確認の頻度(厚生労働省の労働条件分科会の資料を、月に1回程度確認するなど)
- 勤怠システムの見直しの時期(法改正の内容が明らかになってからでも、間に合うようにしておく)
- 現場のシフトを作る人へ、現状を共有すること
まとめ
- 労働基準法の改正案は、令和8年10月現在、国会に提出されておらず、施行時期も未定です。
- 9月16日に議論が再開され、勤務間インターバル、連続勤務規制などが論点になっています。
- 今は、勤怠・シフトの実態を把握することから、準備しましょう。
当事務所では、勤怠管理や就業規則の見直しをサポートしています。お気軽にご相談ください。
※本記事は令和8年10月16日時点の情報です。最新の内容は、厚生労働省のホームページでご確認ください。
参考:厚生労働省「第211回労働条件分科会資料(令和8年9月16日)」、厚生労働省「労働基準関係法制研究会報告書」(2025年1月)、連合「労働条件分科会で今後の論点案などを議論」


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