岐阜県の最低賃金は、令和8年10月1日から、時間額1,121円になりました。月給の従業員は、気づかないうちに最低賃金を下回っていることがあります。月給や手当を時間額に換算して、確認する手順を整理します。
岐阜県の最低賃金
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 改定後の額 | 時間額1,121円 |
| 改定前 | 1,065円(56円の引上げ、引上げ率5.26%) |
| 発効日 | 令和8年10月1日 |
| 適用される人 | 県内の全事業場の、パート・アルバイトを含むすべての労働者 |
岐阜労働局によると、県内の事業場は約6万4千、労働者は約77万6千人で、推計8万5千人以上の賃金引上げが必要になる見込みとされていました。昨年は10月18日の発効でしたが、本年は10月1日です。
最低賃金の対象になる賃金
最低賃金の対象は、毎月支払われる基本的な賃金です。次のものは、対象に含まれません。
- 臨時に支払われる賃金(結婚手当など)
- 1か月を超える期間ごとに支払われる賃金(賞与など)
- 所定労働時間を超える労働に対する割増賃金(時間外・休日・深夜の割増分)
- 精皆勤手当、通勤手当、家族手当
基本給と、役職手当などの毎月支払う手当(上の除外のもの以外)が、確認の対象です。
時間額への換算方法
時給の人
時給が1,121円以上かどうかを、確認します。
月給の人
「対象となる賃金の月額 ÷ 1か月の平均所定労働時間」で、時間額を出します。
1か月の平均所定労働時間は、「(365日 − 年間休日)× 1日の所定労働時間 ÷ 12」で求められます。
計算例
- 基本給18万円、役職手当2万円、通勤手当1万円の場合は、通勤手当を除いた20万円が対象です。
- 年間休日105日、1日8時間の場合は、(365−105)×8÷12=約173.3時間です。
- 20万円 ÷ 173.3時間=約1,154円です。1,121円以上なので、基準を満たしています。
この条件では、対象となる賃金が月に約19万4千円以上あれば、1,121円を満たします。年間休日や所定労働時間が違うと、基準となる月額も変わるので、自社の条件で計算してください。
確認の手順
- 賃金台帳で、基本給と、毎月支払う手当を洗い出す
- 除外される手当(通勤手当、家族手当、精皆勤手当、割増賃金など)を、差し引く
- 1か月の平均所定労働時間を、自社の年間休日と所定労働時間から求める
- 時間額を計算し、1,121円と比べる
- 下回る人がいる場合は、10月1日にさかのぼって、差額を支払う
下回っていた場合
最低賃金を下回る賃金を支払うことは、できません。下回る労働契約は、その部分が無効になり、最低賃金と同額の定めをしたものとみなされます。最低賃金額以上を支払わない場合は、罰則(50万円以下の罰金)の対象になります(最低賃金法)。
基本給や手当の見直しは、就業規則や賃金規程の改定が必要になることがあります。早めに、見直しを進めましょう。
特定(産業別)最低賃金について
産業によっては、地域別の最低賃金とは別に、特定(産業別)最低賃金が定められています。適用される場合は、金額の高い方を確認します。自社の業種に適用があるか、岐阜労働局のホームページで確認してください。
賃金引上げの支援
賃金を引き上げる中小企業を支援する、業務改善助成金などの制度があります。令和8年度の受付は、岐阜県は9月30日に終了していますので、申請済みの事業者の手続きや、来年度の準備については、別の記事を参考にしてください。
まとめ
- 岐阜県の最低賃金は、令和8年10月1日から1,121円です。
- 月給の人は、除外する手当を差し引き、時間額に換算して確認します。
- 下回っていた場合は、10月1日にさかのぼって、差額の支払いが必要です。
当事務所では、賃金規程の見直しや、給与計算をサポートしています。お気軽にご相談ください。
※本記事は令和8年10月16日時点の情報です。最新の内容は、厚生労働省・岐阜労働局のホームページでご確認ください。
参考:岐阜労働局「岐阜県最低賃金を1,121円に」、厚生労働省「令和8年度 地域別最低賃金 答申状況」


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