冬のボーナスの時期が近づいてきました。賞与にも社会保険料がかかり、毎月の給与とは手続きや計算が少し違います。賞与支払届と標準賞与額の基本を整理します。
賞与にかかる保険料
賞与(年3回以下の支給)を支払ったときは、健康保険・厚生年金保険の保険料がかかります。これを計算する基準が、標準賞与額です。
- 標準賞与額は、賞与の額から1,000円未満を切り捨てた額です。
- 保険料は、標準賞与額に、保険料率を掛けて計算し、会社と本人が折半します。
- 子ども・子育て支援金も、標準賞与額に0.23%が掛かり、労使で折半します。
- 雇用保険料は、賞与も賃金として、保険料の対象になります。
年4回以上支給される賞与は、「賞与」ではなく、毎月の報酬と同じように扱われます(標準報酬月額の算定に含めます)。
標準賞与額の上限
| 保険 | 上限の考え方 |
|---|---|
| 健康保険 | 年度(4月〜翌年3月)の累計で573万円 |
| 厚生年金保険 | 1か月あたり150万円(同じ月に2回以上支給したときは合算) |
健康保険の累計が573万円を超えた場合で、年度の途中に転職などで資格の取得・喪失があったときは、本人の申出にもとづき「健康保険 標準賞与額累計申出書」を提出します。
賞与支払届の提出
賞与を支払ったときは、「被保険者賞与支払届」を、支払った日から5日以内に、年金事務所(または健康保険組合)へ提出します。たとえば、12月10日に賞与を支払った場合は、12月15日が期限の目安です。賞与支払予定月に支給しなかった場合は、「賞与不支給報告書」を提出します。
賞与の社会保険料で注意したい点
- 資格を喪失した月(退職日の翌日が属する月)に支払った賞与には、保険料がかかりません。ただし健康保険では、資格喪失日の前日までに支払った賞与は、年度の累計額に含めます。
- 40歳以上65歳未満の人は、介護保険料もかかります。
- 産前産後休業や育児休業の期間中の免除は、賞与にも関係します。対象の従業員がいる場合は、日本年金機構の案内を確認しましょう。
- 賞与の支給額によって、給与から控除する額が大きく変わるため、従業員への事前の案内も大切です。
給与計算の流れ(賞与)
- 賞与の総支給額を確定する
- 健康保険・厚生年金保険の標準賞与額を求める(1,000円未満切捨て、上限の確認)
- 各保険料を計算する(雇用保険を含む)
- 賞与支払届を作成し、期限内に提出する
- 賞与明細で、控除の内訳を従業員に示す
まとめ
- 賞与(年3回以下)にも、健康保険・厚生年金保険の保険料がかかります。基準は、標準賞与額です。
- 賞与支払届は、支払った日から5日以内に提出します。
- 上限額や、退職月の扱いは、事前に確認しておきましょう。
当事務所では、賞与の社会保険の手続きや、給与計算をサポートしています。お気軽にご相談ください。
※本記事は令和8年10月15日時点の情報です。最新の内容は、日本年金機構・協会けんぽのホームページでご確認ください。
参考:日本年金機構「賞与を支払ったとき」、協会けんぽ「保険料額表」


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