令和8年4月1日から、高年齢労働者の労働災害を防止するための措置が、事業者の努力義務になりました。60歳以上の労働者の労働災害が増えていることを受けた、労働安全衛生法の改正です。中小企業が、できることから進めるための整理をします。
改正の概要
労働安全衛生法の改正(第62条の2)で、事業者は、高年齢労働者の特性に配慮した、作業環境の改善や、作業の管理などの措置を講じるよう努めることになりました。努力義務のため、直接の罰則はありません。ただし、転倒や墜落などの災害が起きたときの、安全配慮義務の考え方にも関わります。
取り組みたい措置の例
| 分野 | 具体例 |
|---|---|
| 作業環境 | 床の段差の解消、手すりの設置、照明の改善、滑りにくい床材 |
| 作業の管理 | 重量物の取扱いの見直し、高所作業の配置の見直し、作業のペースの調整 |
| 健康・体力 | 健康診断の結果にもとづく配慮、体力チェック、体調不良の申出のしやすさ |
| 教育 | 高年齢労働者本人と、管理者への教育 |
令和8年4月1日からは、法律にもとづく「高年齢者の労働災害防止のための指針」(令和8年2月10日公示)が適用されています。これに伴い、従来の「エイジフレンドリーガイドライン」は廃止されました。具体的な取組は、厚生労働省の指針とチェックリストで確認してください。
進め方
- 現状を把握する。 高年齢労働者の人数、作業の内容、過去のヒヤリハットを確認します。
- リスクを洗い出す。 転倒、墜落、腰痛、熱中症などが起きやすい場所や作業を、確認します。
- 対策の優先順位を決める。 費用が少なくてできる対策から、始めます。
- 実施して、見直す。 実施後の災害や、ヒヤリハットの状況を確認します。
補助金の活用
高年齢労働者の労働災害防止のための設備の導入費用などに、補助を行う制度(エイジフレンドリー補助金)が、年度ごとに実施されています。令和8年度の内容や受付の状況は、厚生労働省や、実施機関のページで確認してください。
まとめ
- 令和8年4月から、高年齢労働者の労働災害防止措置が、努力義務になりました。
- 作業環境、作業の管理、健康・体力、教育の4分野で、できることから取り組みましょう。
- 厚生労働省の指針とチェックリストを、活用しましょう。
当事務所では、安全衛生管理の体制づくりや、就業規則の見直しをサポートしています。お気軽にご相談ください。
※本記事は令和8年10月16日時点の情報です。最新の内容は、厚生労働省のホームページでご確認ください。
参考:厚生労働省「高年齢者の労働災害防止のための指針」、労働安全衛生法第62条の2


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